サイエンス

金がさびることのない原子レベルの理由が解明される


金は地球上で最も価値のある金属のひとつですが、その理由のひとつはその美しい光沢にあります。他の金属とは異なり、金はさび・変色・腐食に非常に強いため、長らく鮮やかな輝きを続けることが可能です。そんな金がさびない理由が、最新の研究により明らかになりました。

Role of Reconstruction in the Inertness of Gold toward Oxygen | Phys. Rev. Lett.
https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/g3bc-t1qv


Scientists Found The Atomic Reason That Gold Refuses to Rust : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/scientists-found-the-atomic-reason-that-gold-refuses-to-rust

アメリカのルイジアナ州ニューオーリンズにあるテュレーン大学の計算化学者であるサントゥ・ビスワス氏とマシュー・M・モンテモア氏は、金がさびや変色を引き起こす酸素などの物質と容易に反応しない理由を解明しました。

研究によると、金の表面にある原子の配列は非常に密に詰まったパターンを形成しています。そのため、本来であれば金と相互作用するはずの酸素分子が容易に分解されず、酸化反応を引き起こすことができないというわけです。


このパターンを少し緩めることができれば金は劇的にさびやすくなるものの、非常に有用な触媒になるそうです。

例えば、一酸化炭素を二酸化炭素に変換するには「一酸化炭素と結合して二酸化炭素にすることができる反応性の高い遊離酸素原子」が必要となります。そのため、科学者は金属表面を用いて二酸素分子(O2)を活性化させ、分子を反応性の高い2つの酸素原子に分解するそうです。

しかし、酸素活性化触媒として利用されるものの中には反応性が非常に高いものがあり、望ましくない副生成物を生成したり、触媒自体が酸素と強く結合しすぎて時間とともに腐食したりすることがあります。これに対して、金は非常に不活性で、他の原子や分子と強く反応しないため、非常に望ましい触媒となるわけです。


また、1980年代には「金は酸素触媒に適していないものの、金のナノ粒子は驚くほど効果的に酸素を活性化することができる」ことを科学者が発見しています。

金が酸素に強い耐性を持っているにもかかわらず、そのナノ粒子はなぜ酸化反応を促進できるのかについて、ビスワス氏らの研究チームは「金の表面における原子の配列方法」がその謎のカギを握っていることを解き明かしました。


研究チームはコンピューターシミュレーションを用い、酸素分子が原子配置が異なるナノスケールの金表面に接触した際に何が起こるかを検証。研究チームは「表面再構成」の有無で変化が起きるかを調べました。

シミュレーションの結果、表面再構成が起きている場合、相互作用は予想通りに展開しました。酸素分子は金を用いた実際の状況で観察されているように、2つの酸素原子に分裂することはありません。一方、表面再構成が起きていない場合、酸素分子が容易に分裂したそうです。

研究チームによると、金が表面再構成を起こすと、起こす前よりも数十億倍から数兆倍も酸素の解離が難しくなるとのこと。さらに、金のナノ粒子が効果的に酸素を活性化する理由について、研究チームは「金のナノ粒子は大きな金塊に見られるような密に詰まった表面再構成を十分に形成しないため、より反応性の高い正方形状の領域が露出したままになる可能性があります」と説明しています。


なお、金の塊が表面再構成を起こす理由は、必ずしも酸化を防ぐためではなく、単に金にとって最も安定した構造となるためです。金の持つ耐食性はその構造の副産物に過ぎないわけです。

研究チームは今回の研究について、「金が酸素に対して非常に不活性である理由についての新たな理解をもたらし、正方形または長方形の構造を持つ表面を作成することで、酸化反応の触媒活性を大幅に向上させることができる可能性を示唆しています。我々の研究結果は表面再構成を最小限に抑えたり、正方形状の構造を安定化させたりすることで、酸素分子の活性化を促進する金系触媒を設計するための新たな戦略を提供するものです」と説明しました。

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in サイエンス, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article The atomic-level reason why gold does no….