「高齢者の自動車運転パターン」から認知機能低下の兆候を読み取ることが可能という研究結果

多くの人々は日々何気なく自動車を運転していますが、実のところ運転には高度な認知機能が必要です。新たにアメリカ・ワシントン大学の研究チームが、「自動車の運転データから認知機能低下の兆候を読み取ることができる」という研究結果を発表しました。
Association of Daily Driving Behaviors With Mild Cognitive Impairment in Older Adults Followed Over 10 Years | Neurology
https://www.neurology.org/doi/10.1212/WNL.0000000000214440

Can your driving patterns predict cognitive decline? | AAN
https://www.aan.com/PressRoom/Home/PressRelease/5298
Your Driving Choices Could Be Hiding Signs of Future Cognitive Decline : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/your-driving-choices-could-be-hiding-signs-of-future-cognitive-decline
自動車を運転する際には複数の認知機能や感覚機能、運動機能を統合する必要があるため、認知機能が低下したドライバーは事故を起こすリスクが高まります。実際、認知症の前段階とされる軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment、MCI)を持つ高齢者は正式な認知症の診断を受ける前に、運転パターンに微妙な変化が生じる場合があるとのこと。
しかし、認知機能が低下し始めた高齢者の運転パターンの変化に関する、実世界での縦断的なデータは限られています。ワシントン大学医学部のガネーシュ・バブラル博士は、「事故リスクの高い高齢ドライバーを早期に特定することは公衆衛生上の優先事項ですが、危険なドライバーを特定するのは困難で時間がかかります」と述べています。
そこでバブラル氏らの研究チームは、軽度認知障害の高齢者と認知機能が正常な高齢者を、日常の運転データを使用して区別できるかどうかを調べる実験を行いました。
実験には、ワシントン大学の実走行車両運転評価システムプロジェクトに協力した、近隣に住む平均年齢75歳の高齢ドライバー298人が参加しました。被験者のうち56人は軽度認知障害と診断されており、残りの242人は認知能力に問題ありませんでした。また、これらのドライバーは研究開始時点で、少なくとも週に1回は自動車を運転していたとのこと。
研究チームは被験者を対象に、記憶力・注意力・実行機能に関連するタスクを含んだ認知機能テストを実施。さらに、被験者が持つ車両に搭載されたデータ追跡装置を使用して、最大40カ月間にわたって自動車の走行データを収集しました。

研究開始当初は、両グループで運転パターンは類似していました。ところが、時間の経過とともに軽度認知障害の高齢者は毎月の運転回数、夜間の運転頻度、運転するルートといったルーチンが大きく変化していったと報告されています。
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