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GoogleがGemini 3 Proとサードパーティーモデルを活用するエージェントファーストコーディングツール「Google Antigravity」をWindows・macOS・Linux向けに無料パブリックプレビューとして発表


GoogleがAIエージェント開発プラットフォームの「Google Antigravity」を発表しました。Googleの優れたAIモデルを活用した、AI搭載の統合開発環境(IDE)エクスペリエンスです。

Google Antigravity Blog: introducing-google-antigravity
https://antigravity.google/blog/introducing-google-antigravity

Gemini 3 for developers: New reasoning, agentic capabilities
https://blog.google/technology/developers/gemini-3-developers/

Google Antigravity
https://simonwillison.net/2025/Nov/18/google-antigravity/

Gemini 3のようなAIモデルの登場により、AIエージェントのインテリジェンスは複数のサーフェス上で介入なしに長期間動作できるという段階に到達し始めています。まだ数日間介入なしに動作できる段階ではありませんが、個々のプロンプトやツール呼び出しよりも高い抽象度でAIエージェントと対話する世界に近づいています。この世界では、AIエージェントとユーザー間のコミュニケーションを可能にする製品サーフェスは、見た目も感触も異なるものでなければなりません。そこでGoogleが生み出した答えが「Google Antigravity」です。

Google Antigravityは「信頼」「自律性」「フィードバック」「自己改善」という共同開発における4つの主要原則を組み合わせたGoogle初の製品です。

◆信頼
既存のAIエージェントツールは、「AIエージェントが行ったすべてのアクションとツール呼び出しをユーザーに表示する」か「最終的なコード変更のみを表示し、AIエージェントがそこに至るまでの経緯や動作の検証方法を示すコンテキストを提供しない」のどちらかです。

どちらの場合も、AIエージェントが行った動作に対するユーザーの信頼は生まれません。そこで、Google Antigravityはより自然なタスクレベルの抽象化でAIエージェントの動作に関するコンテキストを提供し、必要かつ十分なアーティファクトと検証結果を提供することで、ユーザーが信頼を獲得できるように設計されています。AIエージェントの動作そのものだけでなく、動作の検証についても徹底的に考えるよう、重点的に取り組んでいるそうです。


Google AntigravityのAIエージェントとの会話では、ユーザーはタスク内にグループ化されたツール呼び出しを確認したり、タスクの概要と進捗状況を監視したりすることが可能。AIエージェントが作業を進めると、タスクリスト、実装計画、ウォークスルー、スクリーンショット、ブラウザの記録など、生のツール呼び出しよりもユーザーが検証しやすい形式で、具体的な成果物であるアーティファクトが生成されます。Google AntigravityのAIエージェントは、アーティファクトを使用して、自分が何をしているのかを理解しており、作業を徹底的に検証していることをユーザーに伝えます。

Google AntigravityはAIエージェントのタスクリストを表示し、調査後および実装前の実装計画を確認したり、完了時にウォークスルーをスキャンしたりします。

Task lists, Artifacts, and Verification - YouTube


◆自律性
最も直感的な製品フォームファクターは、サーフェス(エディタ、ブラウザ、ターミナルなど)に埋め込まれたAIエージェントと同期して動作するものです。そのため、Google Antigravityのメインとなる「エディタビュー」は、タブ補完、インラインコマンド、サイドパネルにフル機能のAIエージェントを備えた、最先端のAI搭載IDEエクスペリエンスとなっています。

Google AntigravityのAIエージェントは自律的に新しいフロントエンド機能のコードを記述し、ターミナルを使用してローカルホストを起動し、ブラウザを作動させて新しい機能が動作するかをテストします。

Agent Across Editor, Terminal, and Browser - YouTube


また、IDEのようなエディタサーフェスに加え、エージェントファーストのマネージャーサーフェスも搭載しています。これは、エージェントがサーフェス内に埋め込まれるというパラダイムを転換し、サーフェスがエージェントに埋め込まれるというパラダイムを実現します。これにより、複数のワークスペースにまたがる複数のエージェントを並行して実行できるとGoogleは説明しました。

エージェントマネージャーの受信トレイとサイドパネルを使用して進行状況の通知を受け取りながら、別のワークスペースで背景調査を行うAIエージェントを生成し、フォアグラウンドでより複雑なタスクに集中することが可能です。

Agent Manager - YouTube


非同期のマネージャーエクスペリエンスと同期のエディターエクスペリエンスの両方をひとつのウィンドウに詰め込むのではなく、マネージャーとエディター間の瞬時のハンドオフに最適化することで、Google AntigravityはGeminiのようなAIモデルが急速にスマート化していく中で、開発を非同期時代へと直感的に移行させます。

◆フィードバック
リモート専用フォームファクターの根本的な欠点は、AIエージェントを簡単に反復処理できないことです。AIエージェントのインテリジェンスは確かに大幅に向上しましたが、まだ完璧ではありません。AIエージェントが作業の80%を完了できれば便利ですが、フィードバックを簡単に提供できない場合、残りの20%を解決するための負担が大きくなります。

ユーザーからのフィードバックにより、AIエージェントを完璧か役に立たないかの白か黒かのシステムとして扱う必要がなくなります。Google Antigravityはローカル操作から始まり、テキストアーティファクトへのGoogleドキュメント形式のコメントでも、スクリーンショットの選択とコメントによるフィードバックでも、あらゆるサーフェスとアーティファクトで直感的な非同期ユーザーフィードバックを可能にします。このフィードバックは、エージェントのプロセスを停止することなく、エージェントの実行に自動的に組み込まれます。

以下の動画は実装計画などのテキストアーティファクトに関するフィードバックの例と、エージェントが撮影したスクリーンショットなどの視覚的なアーティファクトに関するフィードバックの例です。

Artifact-level feedback - YouTube


◆自己改善
Google Antigravityは学習をコアプリミティブとして扱い、AIエージェントのアクションは知識ベースからの取得と知識ベースへの貢献の両方を行います。この知識管理により、AIエージェントは過去の作業から学習することが可能です。

AIエージェントは作業とフィードバックから学習し、知識項目を生成して活用します。これはエージェントマネージャーから表示できます。

Global Knowledge Base - YouTube


Google AntigravityはAIエージェント支援開発における次の基本的なステップとなるとGoogleは信じており、そのためにエンドユーザーにとって可能な限り最高の製品を提供することを目指しています。そのため、Google Antigravityはパブリックプレビュー版が無料で提供され、macOS・Linux・Windowsとの互換性も有しています。

また、Google AntigravityはGoogleのGemini 3だけでなく、AnthropicのClaude Sonnet 4.5、OpenAIのGPT-OSSにもアクセス可能で、開発者にAIモデルのオプションを提供します。

実際にGoogle Antigravityを利用したという開発者のサイモン・ウィリソン氏は、「最初は問題なく動作したが、『モデルプロバイダーの過負荷によりエージェントの実行が終了しました。しばらくしてからもう一度お試しください』というエラーが発生した」と報告しています。

なお、ウィリソン氏はGoogleがYouTubeで公開している以下の動画が「現時点で最も優れたGoogle Antigravityの入門書」であると指摘。この動画では、過去にAIコーディングツールのWindsurfで働いており、記事作成時点ではGoogle Antigravityのプロダクトエンジニアとして働くKevin Hou氏が、Google Antigravityを用いてアプリを構築するプロセスを解説しています。

Learn the basics of Google Antigravity - YouTube

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in AI,   動画, Posted by logu_ii

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