レビュー

「初めてデジタルで描きたい」に応えて描くことに特化しAndroid搭載・PC不要の液タブ「Wacom MovinkPad11」レビュー、いつでもすぐ描ける機能や描きごこちは何が優れているのか?


イラスト作成用のペンタブレットや液晶タブレットを展開するWacomから、PCと接続しなくても使えるAndroidタブレット「Wacom MovinkPad 11」が新登場しました。スリープ状態からすぐにお絵描きに入れる「Quick drawing」機能を備えていたり、一般的なタブレットと比べて「描くこと」に特化した画面の仕上げになっていたりととにかく創作がしたい人向けのタブレットになっているとのことなので、実際に触ってその外観や描き心地をチェックしてみました。

Wacom MovinkPad 11 - 液タブ・ペンタブ・板タブはワコムストア (Wacom)【公式】
https://estore.wacom.jp/ja-JP/category/portable-pads/wacom-movinkpad-11.html

MovinkPad 11のパッケージ。


内容物は、カバーに保護されたMovinkPad 11のパッケージ、充電用のUSB-Cケーブル、Wacom Pro Pen 3、説明書類。


MovinkPad 11は幅266mm、高さ182mmでモニターサイズは11.45型。厚さは6.99mm、重さは588gと持ち運びしやすいデザインです。


底面および左側面にはボタンやポートはありません。


右側面にはUSB-Cポートがあります。


天面には音量ボタンと電源ボタン。


背面にはカメラがあります。フロントカメラは5Mピクセル、リアカメラは4.7Mピクセル。また、背面の4隅には小さな脚がついており、平置きしてお絵描きする際にすべり止めになるほか、平置きから持ち上げやすく、カメラが直接机について傷付かないように工夫されています。


MovinkPad 11の大きな特徴のひとつが、起動時の操作です。実際にMovinkPad 11を起動して操作する様子は、以下のムービーを見るとよく分かります。

Wacomの「描くこと」に特化したAndroidタブレット「Wacom MovinkPad 11」で起動していきなりメモやスケッチができる「Quick drawing」を試してみた - YouTube


まずは、電源ボタンからMovinkPad 11を起動してみます。


パスワードを設定している場合は入力した後、ホーム画面が表示されました。これは一般的なAndroidタブレットと同じ。


次に、スリープ中のMovinkPad 11にWacom Pro Pen 3を押し当てる形の起動をしてみます。


すると、ホーム画面ではなく「Wacom Canvas」が起動しました。これは「Quick drawing」という機能で、Wacom Canvasを使用するだけならパスワードを入力する必要もありません。


Wacom Canvasは黒と青のペン、黒の筆と、ケシゴムだけのシンプルなアプリで、アイデアスケッチや下描きに特化したペイントアプリです。


Quick drawingによりWacom Canvasを起動し、メモやスケッチを描いた後は、画像として出力できるほか、CLIP STUDIO PAINTにデータを移して続きを制作することができます。シェアボタンをタップし、「CLIP STUDIO PAINTで続きを描く」を選択。


Quick drawingで起動していた場合、このタイミングでPINの入力が求められます。


CLIP STUDIO PAINTが起動し、Wacom Canvasで作成したデータが引き継がれました。このように、「思い浮かんだアイデアをまずはささっと描きとめて、形が見えてきたらCLIP STUDIO PAINTに移行してレイヤー構成やカラーなど詳細を作成する」というように使うことができるのがMovinkPad 11の特徴です。


また、MovinkPad 11はモニターの質感にも特徴があります。実際にWacom Pro Pen 3で線を引いてみたところ、iPadやAndroidタブレットで専用のペンを使用する時と比較して、ツルツル滑る感じが少なく描くことに特化した表面処理を実感できました。また、最新の電磁誘導方式(EMR)技術を活用してペンの遅延や視差についてもかなり快適な描画性能になっているとのこと。


MovinkPad 11のモニターについてもうひとつの大きな特徴は、映り込みが少ないアンチグレアのディスプレイになっているという点です。以下は、左から Pixel 9 Pro XL、iPad mini、MovinkPad 11の画面照度を最大にして、同じ画像を表示してみたところ。Pixel 9 Pro XLとiPad miniは明るく見える一方で、室内で撮影しているため蛍光灯が反射して映り込んでしまっています。一方でMovinkPad 11は、同じ環境でも蛍光灯の映りこみがまったく見られません。電灯が気になる室内や外出先で使う場合でも、MovinkPad 11は映りこみを気にせず作業することができます。


MovinkPad 11に付属しているWacom Pro Pen 3はバッテリーレスのペンのため、持ち運び時に充電が切れてしまう心配はありません。


また、持ち運び時のアイテムを減らすため、芯抜きを装備した替え芯ホルダーがペンの中に収納されています。


替え芯ホルダーの片面は以下のように穴が空いており、芯抜きとして使うことができます。


芯抜きをペン先に差し込んで、ぎゅっと押して引き出すことで芯を取り外すことができます。


MovinkPad 11は「PCを持たない人にも、デジタルのイラスト制作を始めてほしい」というコンセプトで誕生したAndroidタブレットで、実際に触ってみたところ、タブレット1つでお絵描きが完結しているところや、すぐにスケッチを開始できるQuick drawing機能、ディスプレイの見た目や描き心地など、「描くことに特化したタブレット」ということが実感できました。続く記事では、MovinkPad 11のAndroidタブレットとしての性能を、バッテリーやベンチマークを測定して確認してみます。

MovinkPad 11は2025年7月31日の発売で、ワコムストアの価格は税込6万9080円。Amazonでも購入可能で、価格はワコムストアと同じ税込6万9080円です。なお、MovinkPad 11を購入するとCLIP STUDIO PAINT DEBUTの2年ライセンスが付属するため、初めてデジタル作画に挑戦したいという人もアカウント登録すればすぐに利用可能です。

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・つづき

「描くこと」に特化したWacomの6万円台Androidタブレットの基本性能はどんな感じなのかベンチマークやバッテリー持続時間を測定してみた - GIGAZINE

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in レビュー,   ハードウェア,   動画, Posted by log1e_dh

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