Googleのスンダー・ピチャイCEOがAIの将来性や検索エンジンの進化について語るインタビュー、「トランプ大統領に有利になるように検索ランキングやAIモードを変更しない」と明言

Googleのスンダー・ピチャイCEOが、IT系ニュースサイト・The Vergeのインタビューに応じ、AIの将来性や検索エンジンの進化、AIエージェント、そしてChrome売却の可能性など、多岐にわたるテーマについて語っています。
Google CEO Sundar Pichai says AI will be ‘bigger than the internet’ | The Verge
https://www.theverge.com/decoder-podcast-with-nilay-patel/673638/google-ceo-sundar-pichai-interview-ai-search-web-future
インタビューでピチャイCEOは、AIがインターネット以上の大きな変革をもたらす可能性を秘めていると強調し、今はAIプラットフォームシフトの新たな段階にあるとの認識を示しました。この新しいフェーズでは、より多くの人々がAIを活用した製品開発に携われるようになるとして、AIはあらゆる産業に影響を及ぼし、これまでにない新しいビジネスや製品カテゴリを創出するだろうと述べました。
検索とウェブへの影響について、ピチャイCEOは、Googleが2025年5月に発表した新機能「AIモード」がインタラクティブなチャートなどを含むカスタマイズされた検索結果ページを生成するようになると説明。そして、これらのAIモードの機能は、段階的に主要な検索体験へと統合されていく計画であると明らかにしました。
Googleが新しい検索「AIモード」のテストを開始、一体どんな検索機能になるのか? - GIGAZINE

ピチャイCEOは、「ウェブは依然として拡大を続けており、Googleはかつてないほど多くのウェブサイトにトラフィックを供給しています」と主張していますが、一方でアメリカ新聞協会などのメディア団体からは「AIモードがコンテンツを不当に利用している『窃盗』である」という厳しい批判を受けています。これに対し、ピチャイCEOは、AIモードにおいても出典を明示し、ウェブサイトへのトラフィック送信を優先する方針を強調しました。
また、ピチャイCEOは「たとえばレストランが店内飲食だけでなくテイクアウトやデリバリーに対応するように、ウェブサービスも人間向けの従来のインターフェースと、AIエージェント向けの効率的な情報提供チャネルを併せ持つようになるかもしれません。企業によっては、エージェント経由の利用に特化するところも出てくるでしょう」と語り、将来的にはウェブが一種のデータベース群となり、AIエージェントが人間を介さずに情報をやり取りするようになる可能性についても言及しました。
ピチャイCEOはAIへの巨額投資の回収について、GmailがGoogle WorkspaceやGoogle Cloudへと発展した例を挙げて長期的視点の重要性を強調し、AIは水平的技術として全事業に影響し、検索、YouTube、Google Cloud、Androidなど全領域で価値を生み出すだろうと述べています。
AIハードウェアに関しては、AIを搭載したARグラスが、プラットフォームシフトの完全な実現において重要な役割を果たす可能性があるとの見方を示しました。Googleは2025年5月に、XREALやSamsungとAndroid XR対応のスマートグラスを開発していることを発表しています。
GoogleがXREALと共同開発するAnroid XR対応スマートグラス「Project Aura」を発表、Android XRの開発キットも進化して対応デバイスも増える予定 - GIGAZINE

ピチャイCEOは、2026年には数百万人がARグラスを使用する可能性があるものの、それがiPhoneのように主流の製品になるかどうかはまだ不透明であると慎重な姿勢も見せました。
そして、インタビュアーから「トランプ前大統領に有利になるように検索ランキングやAIモードの回答を変更する可能性」について問われた際、ピチャイCEOはこれを明確に否定しました。
ピチャイCEOは「私たちのランキング手法は神聖不可侵です。25年以上にわたってこの方針を貫いています」と述べ、Google社内のいかなる人物もランキングアルゴリズムに影響を与えることはできないと強調。AIモードの回答についても、政治的な圧力に応じて調整することはないと明言しています。また、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)のような特定の情報源の信頼性評価についても、個別のページを直接評価するのではなく、多数のシグナルに基づいて総合的に判断していると説明しました。
最後に、次のプラットフォームシフトの指標として、ピチャイCEOはロボティクスとの融合を挙げています。AlphaGoが短時間で人間を超越したように、AIの自己改善能力が物理世界のロボティクスと結合した時が、次の大きな転換点になるだろうと予測しました。
なお、インタビューは以下のムービーからも見ることができます。
Google CEO Sundar Pichai on the future of search, AI agents, and selling Chrome - YouTube

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in メモ, ソフトウェア, 動画, Posted by log1i_yk
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