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Nintendo Switch 2のSoC分析で8基のA78Cコア・1536個のAmpereシェーダー・Samsungの8nmプロセスの存在が明らかに、パフォーマンスはGTX 1050 Tiに匹敵


YouTuberのGeekerwan氏が「Nintendo Switch 2のマザーボード」を手に入れ、詳細を分析したと公表しました。CPUやGPUの仕様、推定されるパフォーマンスなどが紹介されています。

This is Nintendo Switch 2's CPU! - YouTube


Geekerwan氏いわく、Nintendo Switch 2のものとされるマザーボードは中国向けeコマースサイトのXianyuで販売されていたとのこと。販売ページから確認できる写真とリークされたNintendo Switch 2のマザーボードの写真が一致していたことから購入を決断したそうです。


マザーボードを入手したGeekerwan氏は、IR(赤外線)顕微鏡やFIB-SEM(集束イオンビーム走査型電子顕微鏡)を用いて付属品を分析しました。


まずは大きさです。Nintendo Switch 2のマザーボードはNintendo SwitchNintendo Switch(有機ELモデル)と比べて少し大きく、以前はドーターボードに搭載されていたゲームカードスロットがメインボードに結合(画像右黄緑枠)されています。


続いて各パーツの詳細です。SoCはNVIDIA製で、Hynix 256GB TLC UFS 3.1ストレージ、MediaTekのMT3681AEN Wi-Fi/Bluetoothチップ、RealtekのALC5658オーディオチップ、SoCに電力を供給する2相PMIC(電源管理用IC)などが搭載されています。なお、PMICの最大供給電力は34.4Wですが、SoC自体の消費電力はもっと少ないとGeekerwan氏は指摘しています。DRAMは2基のHynix 6GB LPDDR5X 128bit 8533MT/sで、合計12GBになります。


SoCのダイサイズは207平方ミリメートルで、118平方ミリメートルのNintendo Switch、100平方ミリメートルのNintendo Switch(有機ELモデル)と比べるとほぼ2倍の大きさに。NVIDIA RTX 3050などに使われるGA107や、Apple M2よりも大きいサイズです。


刻印から、SoCはGMLX30-A1という種類であり、Samsung製で、2024年の第21週に台湾でパッケージングされたことがわかります。


顕微鏡でさらに細かく調べたところ、金属面にT239という刻印があることがわかりました。刻印は2021年に施されていることから、チップの開発からNintendo Switch 2のリリースまで4年のタイムラグがあったことがうかがえます。Geekerwan氏は「もっと早くリリースされる予定だったが遅れてしまったという、ちまたのうわさを裏付けるものになる」と指摘しています。


T239はNVIDIA製のカスタムチップです。CPUとGPUの並びはこんな感じ。


CPUには8つのA78C CPUが詰め込まれています。各コアには個別の256K L2キャッシュがあり、中央に4MBのL3キャッシュがあります。なお、A78CコアはSamsungの8nmプロセスを使用するOrinのA78AEコアと全く同じサイズだそうです。


CPUを取り囲んでいるのはGPUです。NVIDIAのRTX 30シリーズにも使われるNVIDIAのAmpereアーキテクチャが採用されており、6個のTPC(テクスチャ・プロセッシング・クラスター)にそれぞれ2個のSM(ストリーミング・マルチプロセッサ)が実装されている形。SM1個当たり128CUDAコアで、GPU全体で1536のCUDAコアを実装しています。


FIB-SEMを用いてT239のトランジスタを調べたところ、トランジスタのゲートピッチなどの部分に10nmプロセスで製造されるチップとの共通点が見られた一方、8nmプロセスのチップとの共通点があることもわかりました。Geekerwan氏は「T239は10nmと8nmの混合です。Samsungの8nmプロセス(Samsung 8N)は10nmに基づいて8nmの微調整を加えたものを指すことから、T239は8N相当であると言えます」と述べました。


Geekerwan氏はNintendo Switch 2のパフォーマンスも推定しています。Nintendo Switch 2をドックに挿入したTVモードだと、3DMark Steel Nomad Lightベンチマークに基づく推定パフォーマンスはApple A18 Pro以上、GTX 1050 Ti以下に。


据え置き型ゲーム機のPlayStation 5や、デスクトップPC向けGPUのRTX 3060はNintendo Switch 2の4倍のパフォーマンスを実現します。


携帯モードではGTX 750 Ti相当で、PlayStation 4より少し速いくらい。同じ携帯型ゲーム機の「Steam Deck」に近いレベルです。


Nintendo Switchに使われたNVIDIA Tegra X1と比べると、圧倒的に進化しています。


ただ、AAA級ゲームの動作には難があるようで、TVモードで「モンスターハンターワイルズ」をプレイしたと想定してシミュレーションすると、FPSは30に満たないそうです。


携帯モードだともっと低く、グラフィックも悪くなります。ただし、これらのタイトルが仮にNintendo Switch 2向けに発売される場合は相応に最適化がなされるものと見られます。

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