約7万5000種類のスマホアプリを調査した結果で「アプリがユーザーへサブスクを迫る切実な理由」が明らかに、月間収益1000ドル超えは厳しすぎる壁

アプリ内サブスクリプション課金管理サービスを提供するRevenueCatが、7万5000種類以上のアプリと100億ドル(約1兆5000億円)を超える収益を追跡したレポートを発表しました。その中で、アプリがユーザーに月額有料のサブスクリプションプランへの登録を迫る切実な理由が明らかとなっています。
State of Subscription Apps 2025 – RevenueCat
https://www.revenuecat.com/state-of-subscription-apps-2025/
Sobering revenue stats of 70K mobile apps show why devs beg for subscriptions - Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2025/03/sobering-revenue-stats-of-70k-mobile-apps-show-why-devs-beg-for-subscriptions/
RevenueCatによると、リリースから2年以内に月間収益1000ドル(約15万円)を達成するアプリは全体の約20~25%で、月間収益1万ドル(約150万円)を超えるアプリは約5%とのこと。新しくリリースされたアプリのうち、最初の2年間で収益1000ドルの水準を超えたアプリ(赤)の割合が最も低いアプリのカテゴリはショッピング、旅行、ユーティリティ関連。それに対して、最初の2年間で月間収益1000ドルの水準を超える割合が最も高いカテゴリは写真や映像、ゲーム関連でした。
また、下図を見ると2年間で月間収益1000ドルを達成したアプリに比べて月間収益2500ドルを達成したアプリは約半数しかおらず、月間収益5000ドルはさらにその半数、月間収益1万ドルはまたさらに半数となっており、RevenueCatは「持続的な成長に課題がある」と分析しています。

RevenueCatが月間収益1000ドルを超えたアプリについて分析したところ、アプリが月間収益1000ドルに達するまでにかかる日数の平均は60日でした。ただし、以下のグラフが示すように、この統計はアプリのカテゴリによって異なります。たとえば、教育関連のアプリは平均で79日かかる一方で、ショッピング関連は90日、旅行関連は121日かかっており、月間収益1万ドルというより高い目標はより達成が困難です。

また、ほとんどのアプリカテゴリーで、収益上位5%のアプリと残り95%のアプリで、収益の格差が拡大していることもわかりました。RevenueCatによれば、上位5%アプリの収益は残り95%のアプリの収益のおよそ500倍になったとのこと。以下はカテゴリ別にリリースから1年経ったアプリの月間収益をまとめた箱ひげ図で、丸印が示す「P95 Value」は「全体の上位5%のアプリを除いた95%のアプリはこの金額以下の収益である」という意味。逆に言えば、丸印の金額を超える月間収益を得ているのは上位5%のみということになります。

さらに、北米の開発者の76.1%が収益の80%以上をiOSアプリから得ているとのことで、アプリの収益化が不均衡になっているとRevenueCatは指摘しています。
近年では、サブスクリプションプランを一定期間だけ無料で試用できるケースも増えています。RevenueCatによると、人々がモバイルアプリのサブスクリプションプランを試す可能性の高い期間は短く、試用開始の82%はアプリインストールした当日だったそうです。
以下のグラフは、サブスクリプションプランを試用したユーザーが何日で試用をやめたのかを、試用期間ごとにまとめたグラフ。どの試用期間でも開始3日で多くのユーザーが試用をキャンセルしています。

そして、ユーザーがサブスクリプションプランを契約してから解約するまでの期間をアプリカテゴリごとにまとめたグラフが以下。どのカテゴリでも3割近くが1カ月でサブスクリプションプランを解約していますが、ショッピング関連だけは4割以上が1カ月で解約しています。

RevenueCatによれば、月額プランで2年目まで契約を続けるのは全体のわずか10%で、週単位のプランだと半年以上契約を続けるのは全体の5%にも満たないそうです。なお、解約の理由として価格上昇が報告されていないことから、RevenueCatは「サブスクリプションプランの価格変更は加入者の維持に大きな影響を与えないことが示唆される」と論じています。
RevenueCatの成長担当バイスプレジデントであるリック・ヘンドリクマン氏はIT系ニュースサイトのArs Technicaに対して「今後1年間、モバイルアプリが直面する収益化の水準を超えるために、すべてのアプリカテゴリーにおいてサブスクリプションプランの値上げを行う可能性が高い」という予想を示しました。
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in モバイル, ソフトウェア, ネットサービス, Posted by log1i_yk
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