研究者がOpenAIのGPT-5.2 Proを使って量子重力に関する新たな発見に成功

OpenAIやプリンストン高等研究所などの科学チームがGPT‑5.2 Proを利用して、量子重力理論に関する新たな数学的結果を発見したと報告しました。論文はプレプリントサーバーのarXivで公開されています。
[2603.04330] Single-minus graviton tree amplitudes are nonzero
https://arxiv.org/abs/2603.04330

Extending single-minus amplitudes to gravitons | OpenAI
https://openai.com/index/extending-single-minus-amplitudes-to-gravitons/
今回発表された論文は、重力相互作用を媒介する仮説上の粒子である重力子について、粒子が特定の方法で相互作用する確率を計算するために用いられる散乱振幅を研究したものです。
特に研究チームが着目したのは、1つの粒子が負のヘリシティーを持ち、残る粒子が正のヘリシティーを持った「single-minus amplitude(シングルマイナス振幅)」という構成です。ヘリシティーは粒子のスピンの向きを運動方向に対して表したもので、相互作用の発生方法を決定する上で重要な役割を果たします。
これまで、「tree level(ツリーレベル)」と呼ばれる最も低次の相互作用プロセスにおいて、シングルマイナス振幅は消滅するはずであると示唆されてきました。ところが、今回の研究では粒子の運動量が「half-collinear regime(半コリニア領域)」という特殊な配置を満たす場合、シングルマイナス振幅はゼロではなく明確に定義された数学的分布として存在することを示したとのことです。
今回の研究で重要な点として、科学者らがOpenAIのGPT-5.2 Proを使用したことが挙げられます。今回と同じ研究チームは2026年2月にグルーオンという素粒子に関する論文を発表しており、この研究でもGPT‑5.2 Proが用いられていたことが報告されています。
OpenAIのGPT-5.2が物理学の新たな式を作り出すことに成功 - GIGAZINE

研究チームは、以前発表したグルーオンに関する論文をGPT-5.2 Proにコンテキストとして提供し、これを参照に量子重力における対応する振幅を構築するように求めました。人間の科学者であればかなりの時間を要したであろうこの作業を、GPT-5.2 Proは「美しく驚くべき手法」を使って解決し、論文の予備草稿も優れた水準で作成したと報告されています。
なお、研究チームとGPT-5.2 Proが交わしたやり取りの一部もPDFで公開されています。
GR singmin - regenerate - gluon-to-graviton-paper.pdf
(PDFファイル)https://cdn.openai.com/pdf/gluon-to-graviton-paper.pdf

OpenAIは、「本プロジェクトおよび関連プロジェクトから浮かび上がった重要点は、発見のペースに関するものです。本プロジェクトでは、前回のグルーオンの結果から経過した時間の多くが、初期の仮説生成ではなく導出の確認、整合性の検証、正式な論文作成の準備に費やされました。この一連の結果は、労力の主要な部分を検証と解説が占めるという、大きな転換を示しています」と述べました。
・関連記事
OpenAIのGPT-5.2が物理学の新たな式を作り出すことに成功 - GIGAZINE
OpenAIが無料でGPT‑5.2を搭載した科学論文執筆ワークスペース「Prism」を公開 - GIGAZINE
GoogleがGemini 3 Deep Thinkをベースとしたエージェント「Aletheia」で数学の自律的な研究に成功したとアピール - GIGAZINE
Gemini 3 Deep Thinkのアップグレード版が登場、知性を測定するARC-AGIで驚異的な記録を更新 - GIGAZINE
AIを使った科学研究が注目を浴びる一方で膨大な間違いを指摘した「論文のファクトチェック」が無視されている - GIGAZINE
AIは物理学分野でも強力なツールになっており「新たな実験装置の考案」「データ内のパターン発見」などに役立つと証明されつつある - GIGAZINE
生成AIツールで画像や実験データを簡単に捏造できるようになり科学研究が脅かされている - GIGAZINE
科学者が10年かけてたどり着いた研究結果にGoogleの科学者向けAIアシスタントがわずか2日で到達 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in AI, サイエンス, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article Researchers use OpenAI's GPT-5.2 Pro….






