集英社による海賊版訴訟で「DMCA召喚状を通じて入手した個人情報は外国の著作権訴訟には使用できない」と判決が下る

月間訪問者数が1億8500万人に達する大規模なマンガ海賊版サイトを摘発するため、集英社は2025年夏にCloudflareに対し運営者の身元を特定するデジタルミレニアム著作権法(DMCA)召喚状を請求しました。その結果いくつかの海賊版ドメインは自主的に閉鎖されましたが、DMCA召喚状の請求について審査した裁判所は「DMCAによる身元開示のための召喚状は、海外の著作権侵害訴訟の目的で利用することを認めない」との判決を下し、サイト運営者の情報開示に制限を設けました。
DMCA Subpoenas Can't Be Used for Foreign Piracy Lawsuits, Court Rules * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/dmca-subpoenas-cant-be-used-for-foreign-piracy-lawsuits-court-rules/

集英社が告発したマンガサイトは2024年5月に登場し、2025年3月頃から大きくアクセス数を伸ばし始めました。2025年3月から4月にかけてKADOKAWA・講談社・集英社・小学館の合計1万話以上のマンガ作品が違法に公開され、2025年5月の月間アクセス数は1億8500万回に達しました。

ウェブデータを分析するSimilarWebによると、同時期のアクセス数はFacebookやChatGPTを超えて17位であり、「アニメ・マンガ」カテゴリだと正規の大手配信サイトを超えて1位となっていました。

被害を受けた集英社は、ホスティングサービスのCloudflareに海賊版サイトの運営者の身元を開示させるため、DMCA召喚状をカリフォルニア州連邦裁判所に請求しました。DMCA召喚状はすぐに効果を発揮し、その海賊版サイトおよび関連ドメインはすぐに自主的に削除されました。
しかし、2026年2月2日に下された裁判所の決定では、集英社のDMCA召喚状に関する希望が一部却下されました。
DMCA召喚状は、著作権侵害の証拠を得るためにISPやプラットフォームに対して利用者の身元情報開示を裁判所書記官が発行できる制度です。集英社側は、「サイトは閉鎖されたとしても運営者の所在が不明なままでは訴訟が困難になる」として情報開示が必要だと主張していました。一方で海賊版サイト運営者側は、Cloudflareから引き渡される情報を「集英社のアメリカにおける社外弁護士」のみに制限するよう最大限のプライバシーを求めました。そこで、DMCA召喚状に基づく情報開示が認められた上で、「どこまで開示されるか」が争点となりました。

カリフォルニア連邦裁判所のトーマス・S・ヒクソン判事は「法的に義務付けられた宣誓供述書には、召喚状は『本法に基づく権利の保護のみを目的として使用される』とされている」とした上で、「集英社が日本やその他の外国の法域における著作権訴訟において海賊版サイト運営者の身元情報を利用できない」として柔軟な開示を求める集英社の要求を退けました。ヒクソン判事によると、DMCA召喚状はあくまでアメリカを拠点とする著作権侵害の申し立てのみであり、DMCA召喚状によって得た海賊版運営者情報を外国での訴訟に利用することは認められないとのこと。
海賊版サイト運営者側の弁護士は、集英社が「DMCAの召喚状を通じて身元情報を入手し、アメリカで『形式的な訴訟』を起こして情報を公開し、それを外国での訴訟に利用する」というDMCAの制限を回避する動きをしていると指摘していました。ヒクソン判事はこれを認め、「不適切な目的外利用は許されない」と判断を下しました。
最終的な命令では、集英社がアメリカの裁判所への提出書類で運営者の名前を公表できる一方で、連絡先や財務データといった個人情報は保護されたままであると明示されました。記事作成時点では判決後の集英社の判断は不明ですが、この訴訟は著作権侵害対策の国際的な法的取り組みの例として注目されています。
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in ネットサービス, Posted by log1e_dh
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