ExpressVPN・NordVPN・Surfsharkの所有者は本当は誰なのか?というのがわかるVPN関係図

プライバシー保護やセキュリティ強化、各種制限の回避など様々な理由でVPNサービスが普及していますが、主要なVPNサービスを提供する企業の所有関係や業界の実態についてはあまり知られていません。VPNサービスプロバイダーのWindscribeが、ExpressVPN・NordVPN・Surfsharkといった主要VPNサービスの所有関係やアフィリエイトサイトとの関係性を可視化したインタラクティブマップを公開しています。
Who Owns Express VPN, Nord, Surfshark? VPN Relationships Explained
https://windscribe.com/blog/the-vpn-relationship-map/

サイトに埋め込まれているインタラクティブマップでも操作が可能ですが「Take me to the full map」をクリックして埋め込み元のウェブサイトに移動すると、フルサイズ表示となりマウスホイールでの拡大縮小やマップのエクスポートなどが可能です。

マップでは以下の色分けで関係性を表示しています。
・赤の線:VPN提供企業としての関係
・青の線:スタッフ・リソース・ネットワーク・施設を共有している、もしくはパートナーシップ
・紫の線:メディア関連企業との関係
・オレンジの破線:有料アフィリエイトでのつながり
・茶の線:法的紛争
マップ内の企業アイコンをクリックすると、その企業の詳細が表示されます。

アイコンを右クリックするとメニューが表示されるので「Focus」をクリック。

選択したアイコンからそれぞれ1から3段階までの関係性に絞り込むことができます。「Direct」をクリックすると…

直接つながっている企業だけに絞り込むことが可能です。

サイトでは、マップ以外に大手VPNサービスの所有者についてまとめられています。
◆ExpressVPNは誰が所有しているのか
ExpressVPNはCyberGhostVPN、Private Internet Access、ZenMateVPN、GooseVPNを含む大規模な企業ネットワークの一部となっています。

ExpressVPNは2009年にPeter BurchhardtとDan Pomerantzによって設立されましたが、2021年にイギリス・イスラエル系のセキュリティソフトウェア企業であるKape Technologiesに9億3600万ドル(約1460億円)で売却されました。その後、Kape TechnologiesはTeddy SagiによりUnikmind Holdingsを通じて2023年5月に15億8000万ドル(約2467億円)で買収されています。
◆NordVPNは誰が所有しているのか
NordVPNはリトアニア国籍のTomas OkmanasとEimantas Sabaliauskasが所有しています。NordVPNはNord Securityが運営する大規模な企業構造の傘下にあります。

◆Surfsharkは誰が所有しているのか
Surfsharkの創業者はVytautas Kaziukonisで、2018年に会社を設立しましたが2022年にNordVPNと合併しました。両社は別々のブランドとして運営を続けていますが、実質的にはNord Securityの管理下です。
さらにサイトではVPN業界について7つの考察を挙げています。
1:SurfsharkのWindowsおよびLinux GUIがローカルマシンに平文で読み書きしている
以下のログではメール情報・決済手段・カード識別番号・発行元、その他の個人特定可能な情報についてすべてのユーザーがアクセス可能な状態でローカルログを保存しています。

これはプライベート情報を簡単に手に入れられるログを残すことになります。Windowsではユーザーのログイン情報の記録を使って、IKEv2およびOpenVPN接続のVPNを乗っ取ることができるほか、USBブートなどの手段でPCを起動しディスクに記録されている平文のファイルを取得したり、リモートアクセス型トロイの木馬を介してファイルを簡単に取得されてしまいます。
2:VPNはアフィリエイトにいくら支払っているのか
主要なVPNサービスのアフィリエイト報酬は以下の通りです。
・ExpressVPN:コンバージョンあたり13~36ドル(約2025~5610円)
・NordVPN:販売されたすべてのプランに対して30%
・Private Internet Access:販売されたすべてのプランに対して33%
・PureVPN:販売されたすべてのプランに対して30%
・OVPN:販売されたすべてのプランに対して30~50%
・TorGuard:販売されたすべてのプランに対して30%
・Norton LifeLock:販売されたすべてのプランに対して32%
・Avast:販売されたすべてのプランに対して35%
・VuzeVPN:販売されたすべてのプランに対して50%
・Surfshark:販売されたすべてのプランに対して40%
・TunnelBear:販売されたすべてのプランに対して50%
アフィリエイトサイトの業界平均コンバージョン率は約0.5から1.0%なので、月間310万ヒットがあるKape TechnologiesのSafety Detectivesのような複数のアフィリエイトの大まかな収益が推定でき、Similarwebで得られたサイトの離脱率が73.86%というデータから、初回訪問からさらに製品紹介ページなどへ進めた割合の人数を求めると81万340人になります。その中から実際に購入した割り合いをコンバージョンから0.5%と仮定すると、約4052人が購入したと考えられるので、4052x28.73ドル=11万6413.96ドル(約1775万円)が収益と推定されるとのこと。
Kape TechnologiesがWebseleneseを買収した理由は、Safety DetectivesとVPNMentorの収益が、ExpressVPNのようなVPN企業にとって安全で収益性の高いものであると考えられます。
3:NordVPNの集団訴訟
NordVPNはWittels McInturff Palikovicによる集団訴訟に直面しています。原因は非常に劣悪な解約プロセスで犯罪的なほど悪質だとのこと。なお、Wittels McInturff Palikovicは、Dellでの性差別の被害者・AT&Tとの残業集団訴訟・および無給インターンシップに関する訴訟で勝訴しています。
4:VPNが殺人を引き起こすとハリウッドが主張
ハリウッドの約24のスタジオがVPNを訴えています。訴状には「被告のユーザーはVPNサービスを利用して、広範囲にわたる映画の著作権侵害を行うだけでなく、嫌がらせ・違法なハッキング・殺人など犯罪行為にも関与している」と記されていました。

5:企業系VPNはYouTubeやTikTokなどのインフルエンサーを使い違法な宣伝を行っている
YouTubeでのインフルエンサーによるVPN広告の調査では、VPN企業がYouTuberを利用して、VPNが合理的に提供できる範囲を超えた主張をする方法が報告されています。右側のグラフは過剰な宣伝を行っていると報告のあったVPNプロバイダーです。

このブログの著者であるWindscribeは「多くのVPNによるアフィリエイトキャンペーンは、製品を正確に表現する法的責任を逃れるためのものだと考えています。VPNの宣伝を行うインフルエンサーは、VPNができることについての多くの人々に誤解を与えており、私たちはアフィリエイトマーケティングの仕組みが好きではありません」とコメントしています。
6:アフィリエイトサイトは利益を得られるVPNプロバイダーのみ提案する
アフィリエイト収益が目的のVPN紹介サイトは、収益が得られないVPNプロバイダーを提案することはなく収益が得られるVPNプロバイダーに誘導するため、曖昧な基準を利用したりゴールポストを動かし、記事全体が収益を得られるVPNプロバイダへのコンバージョンを作成するように設計されていることがよくあります。
7:VPN業界は数十億ドル規模で、まもなく数兆ドルに
2019年VPN業界は254億1000万ドル(約3兆9600億円)規模でした。2022年5月時点でVPNは446億ドル(約6兆9552億円)規模の業界と推定されており、4年以内に770億ドル(約12兆130億円)を突破すると予測されています。
Windscribeは「セキュリティと安全性への需要は高まり続けていますが、VPNを求める人々の大多数が怪しいマーケティング戦術に騙されているように見えることが本当に悲しいです。企業系VPNはWindscribeのような独立系を潰し、市場を支配しようと数百万ドルを費やしており、倫理は無視され結果を得られるためには手段を選びません」と述べています。
◆議論
なお、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでは、TesonetとProtonVPNの関係性について議論されており、Private Internet Accessを運営していた時代にTesonet関連企業から脅迫を受けたという報告がありました。
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in ネットサービス, Posted by darkhorse_logmk
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