Steam Machineは理論上はHDMI 2.1をサポートしているもののHDMI仕様を策定するHDMIフォーラムがオープンソース化を拒否しているため実装できず

Valveが開発するゲーミングPC「Steam Machine」は、2017年に発表されたHDMI 2.1ではなく、2013年の古いHDMI 2.0に対応しています。これは、HDMI規格を管理するHDMIフォーラムによりHDMI 2.1のオープンソース実装が拒否されており、Steam Machineに搭載されたオープンソースのAMDドライバーが対応できないためだとの指摘があります。
Why won’t Steam Machine support HDMI 2.1? Digging in on the display standard drama. - Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2025/12/why-wont-steam-machine-support-hdmi-2-1-digging-in-on-the-display-standard-drama/

Valve: HDMI Forum Continues to Block HDMI 2.1 for Linux | heise online
https://www.heise.de/en/news/Valve-HDMI-Forum-Continues-to-Block-HDMI-2-1-for-Linux-11107440.html
Steam Machineのハードウェア自体はHDMI 2.1をサポートしているものの、ソフトウェア制限によりHDMI 2.0までの対応となっています。本来の出力限界はHDMI 2.0準拠の4K・60Hzになるはずでしたが、Valveはクロマサブサンプリングと呼ばれる技術により4K・120Hzまで引き上げています。
Valveは、HDMI 2.1のサポートについて「ソフトウェア面でまだ開発中」であることを認め「障害を取り除くために取り組んでいる」と伝えました。

テクノロジー系メディアのArs Technicaは、障害とはHDMIフォーラムによるオープンソース化の拒否だと指摘しています。
コミュニティは長年にわたりHDMI 2.1のオープンソース化を要望し、AMDのエンジニアなども協力していましたが、2024年にHDMIフォーラムから拒否されたそうです。
Steam MachineはAMD Ryzen APUとRadeonグラフィックスユニットを採用し、オープンソースドライバーを厳格に適用していますが、HDMI 2.1の開示が拒否されているため、対応ができない状態にあるとのこと。なお、HDMI 2.1の仕様はHDMIフォーラムに加入しなければ閲覧できませんが、一部資料が漏えいしています。

Steam Machineが取り入れたクロマサブサンプリングは 「画質に重大な影響を与えることはない」とされていますが、色情報の減少による品質の低下と、テキスト重視の一部ゲームで画面上の文字が若干ぼやける可能性があることが指摘されています。
また、HDMI 2.1に完全対応していないため、Steam Machineはアダプティブシンクリフレッシュレート(ADR)の処理にも制限があります。加えて、Steam MachineはHDMI経由でAMDのFreeSync規格に対応していますが、HDMI 2.1規格で許容されている汎用的なHDMI-VRRには対応していません。HDMI-VRR対応のモニターの多くはAMDのFreeSyncを正確に処理できないため、一部のモニターでは問題が発生する可能性があるそうです。
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in ハードウェア, Posted by log1p_kr
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