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AIとアプリをつなげる技術「MCP」の開発プロジェクトがLinux Foundation傘下の「Agentic AI Foundation」に移管される


Anthropicは同社が開発したModel Context Protocol(MCP)を、Linux Foundationの傘下に新設されたAgentic AI Foundation(AAIF)に移管することを2025年12月10日に発表しました。AAIFは、Anthropic・OpenAI・Blockの3社が共同で設立した組織であり、Google、Microsoft、Amazon Web Services(AWS)、Cloudflare、Bloombergなどが支援を行っています。この取り組みは、AIエージェントの技術開発において、特定のベンダーに依存しない中立的かつオープンなエコシステムを構築することを目的としています。

Linux Foundation Announces the Formation of the Agentic AI Foundation (AAIF), Anchored by New Project Contributions Including Model Context Protocol (MCP), goose and AGENTS.md – Agentic AI Foundation (AAIF)
https://aaif.io/press/linux-foundation-announces-the-formation-of-the-agentic-ai-foundation-aaif-anchored-by-new-project-contributions-including-model-context-protocol-mcp-goose-and-agents-md/

Donating the Model Context Protocol and establishing the Agentic AI Foundation \ Anthropic
https://www.anthropic.com/news/donating-the-model-context-protocol-and-establishing-of-the-agentic-ai-foundation

OpenAI co-founds the Agentic AI Foundation under the Linux Foundation | OpenAI
https://openai.com/index/agentic-ai-foundation/

Block - Block, Anthropic, and OpenAI Launch the Agentic AI Foundation
https://block.xyz/inside/block-anthropic-and-openai-launch-the-agentic-ai-foundation

MCPは、AIシステムと外部データソースのシームレスな統合を可能にする標準プロトコルとして2024年に提唱されました。

既存アプリとAIシステム間でデータを橋渡しするためのユニバーサルプロトコル「Model Context Protocol」をAnthropicが提唱しオープンソースで公開 - GIGAZINE


MCPは急速に普及し、開発者ツールからフォーチュン500企業のシステムまで、1万以上の公開MCPサーバーが稼働しています。また、ChatGPT、Cursor、Google Gemini、Microsoft Copilotなどの主要なAI製品でも採用されており、PythonやTypeScript向けのSDKダウンロード数は月間9700万回を超えているとのこと。

また、OpenAIもこの設立に合わせて「AGENTS.md」という標準フォーマットをAAIFに移管しています。これはAIエージェントに対してプロジェクト固有の指示や文脈を与えるためのMarkdown形式のファイルで、すでに6万以上のプロジェクトで採用されています。

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さらに、Blockからは、オープンソースのエージェントフレームワークである「goose」が移管されました。今回の移管により、MCP・AGENTS.md・gooseの3プロジェクトは今後Linux Foundationの中立的な管理下で運営され、コミュニティ主導による開発が継続されることになります。

AAIFは、AIエージェント技術の断片化を防ぎ、相互運用性を確保するという目的で設立されました。AAIFには設立メンバー以外にも多くの企業が参画しており、プラチナメンバーにはAmazon Web Services、Bloomberg、Cloudflare、Google、Microsoftが、ゴールドメンバーにはSalesforceやShopifyなどが参加しています。


AAIFはLinux Foundationの管理下にある「directed fund」という位置付けとなり、中立的なガバナンスの下でAIエージェント技術の標準化や開発が進められることになります。Linux FoundationにはLinuxカーネルやKubernetesなどの重要プロジェクトを管理してきた実績があり、AAIFにおいても長期的な持続可能性と透明性のあるガバナンスを提供することが期待されています。

Anthropicの最高製品責任者であるマイク・クリーガー氏は、「AAIFの一環としてLinux FoundationにMCPを寄贈することで、AIにとって重要なインフラとなるMCPがオープンで中立的、そしてコミュニティ主導であり続けることが保証されます。私たちはMCPのサポートと発展に引き続き尽力していきます。Linux Foundationは長年にわたりインターネットを支えるプロジェクトを支援してきた経験があり、これはほんの始まりに過ぎません」とコメントしました。

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in AI,   ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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