GoogleがChromeで「JPEG XL」形式の採用を再検討開始、復活なるか?

Googleは、ウェブブラウザのChromeにおいて、一度は廃止した画像フォーマット「JPEG XL」のサポートを復活させる方向で調整に入ったことを明らかにしました。2022年末のChrome 110での削除時には、Googleはエコシステム全体からの関心が薄いことや、既存のフォーマットに対する優位性が不十分でありメンテナンスの負担に見合わないことを理由として挙げていました。しかし、廃止から約3年を経て、他社の動向や技術的な再評価により、その判断が覆されることとなりました。
Intent to Prototype: JPEG XL decoding support (image/jxl) in blink
https://groups.google.com/a/chromium.org/g/blink-dev/c/WjCKcBw219k/m/NmOyvMCCBAAJ

Google *unkills* JPEG XL?
https://tonisagrista.com/blog/2025/google-unkills-jpegxl/
主流な画像フォーマットの1つであるJPEG形式には「圧縮率が高くファイルサイズが小さく済む」というメリットがある一方で、圧縮プロセスが非可逆でノイズが増えてしまい、画質が劣化するという問題があります。JPEG XL形式はGoogleのPIKやCloudinaryのFUIFを基に開発されたフォーマットで、可逆圧縮を採用しながら、JPEG形式よりも高い圧縮率を実現します。また、JPEG-XL形式はオープンかつロイヤリティフリーのフォーマットであることも特徴。標準化団体であるJoint Photographic Experts Groupは、2017年にJPEG XL形式の技術公募を開始し、2019年12月にJPEG XL形式のリファレンス実装を公開。2020年12月にJPEG-XL形式の仕様が決定され、2021年10月に国際標準規格となりました。
当初、GoogleはChrome 91から実験的な機能フラグを通じてJPEG XL形式のサポートを提供していましたが、2022年後半に突如として廃止の方針を打ち出しました。
Google Chromeが次世代画像規格「JPEG XL」形式のサポート廃止を検討、その理由とは? - GIGAZINE

Googleのエンジニアチームはサポート廃止の理由として、エコシステム全体からの関心が依然として不十分であることや、既存の画像フォーマットと比較してメンテナンスの負担に見合うだけの十分なメリットが得られないことを挙げています。
JPEG XL decoding support (image/jxl) in blink (tracking bug) [40168998] - Chromium
https://issues.chromium.org/issues/40168998#comment85

そして、2023年初頭にリリースされたChrome 110において、JPEG XL形式のサポートコードが削除されました。この決定に対しては、フリーソフトウェア財団(FSF)などが「ユーザーの選択肢を狭めるものだ」として批判的なコメントを発表しています。
しかし、廃止から数年が経過する中で、JPEG XL形式を取り巻く環境は大きく好転しました。まずAppleのSafariがJPEG XL形式のサポートを開始したほか、Mozilla Firefoxも以前の中立的な立場を見直し、サポートに対して前向きな姿勢を示すようになりました。さらに、PDF形式の標準策定を行うPDF協会は、PDF仕様における推奨画像フォーマットとしてJPEG XL形式を採用することを2025年10月に発表しました。
Breaking Good (PDF Days Europe 2025) - YouTube

Googleの開発者であるリック・バイヤーズ氏はChromiumの開発チームを代表して、Chromiumのレンダリングエンジン・Blinkの開発者グループフォーラムで、「JPEG XL形式が最後に評価されて以来、Safariがサポートをリリースし、Firefoxも対応状況を更新しました。また、バグ報告や相互運用性提案、調査データなどからも、開発者からの支持が引き続き確認されています。加えて、PDFにJPEG XLが追加されるという発表もありました。これらの肯定的な兆候を踏まえ、高性能かつメモリ安全性の高いJPEG XLデコーダーをChromiumに統合するための貢献を歓迎します。Chromiumでこれをデフォルトで有効化するには、長期的なメンテナンスへのコミットメントが必要です。これらのコミットメントと通常のリリース基準が満たされれば、Chromeにリリースする予定です」とコメントしました。
この「高性能かつメモリ安全性の高いJPEG XLデコーダー」について、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsでは、ChromiumがRustで書かれた「jxl-rs」というライブラリを採用する可能性が高いと指摘されています。同時に、Googleがこれまで沈黙していたのは、jxl-rsの実装が実用に耐えうるレベルになるのを待っていたからではないかと推測する声もありました。
なお、Google Cloud Platform(GCP)の医療用画像規格であるDICOMのAPIでは、すでに既存のJPEG画像からJPEG XL形式に可逆圧縮を行ってファイルサイズを20%削減する機能が導入されており、JPEG形式が必要なアプリケーションにはリアルタイムで変換して提供しつつ、保存時にはJPEG-XLの圧縮効果でストレージ容量を節約できるようになっています。
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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article Google reconsiders adopting JPEG XL form….






