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意見の異なる相手と建設的な議論を進めるための「RISAルール」とは?ディベート世界チャンピオンが議論のコツを解説


意見の異なる人と議論していると、互いの主張を一方的にぶつけ合うような展開になって何も得られないことがよくあります。ディベートの世界大会で2度優勝しハーバード大学ディベート部のコーチも務めているボー・ソ氏が建設的な議論を展開するためのアドバイスを語っています。

Train for any argument with Harvard’s former debate coach | Bo Seo - YouTube


ソ氏は韓国で生まれた後、8歳のときにオーストラリアに移住しました。移住当初は英語に不慣れであったため、ほとんどの議論で同意する意見のみを出していたとのこと。しかし、「1人が話すとき、他の人は黙って聞く」というルールのディベートと出会い、議論の才能を発揮するようになりました。


意見の異なる相手と対話する場合、議論の対象となっている物事以外の部分にも差異が見つかり、議論の対象があやふやとなって制御不能になってしまうことがあります。こうした問題を避けるために、ソ氏は「RISA」というルールを提唱しています。

RISAは「Real(真実性)」「Important(重要性)」「Specific(具体性)」「Aligned(調和)」の頭文字を並べたもので、議論の前に以下の4点を自分に問いかけることで論点が議論に値するものか否かを確認して建設的な会話を進めやすくします。

論点は真実か?:まず、互いの意見が誤解に基づくものではなく、真実であることを確認します。
論点は重要か?:意見の相違が、正当化を必要とするほど自分にとって重要かを確認します。
論点は十分に具体的か?:意見の相違が、進展を遂げるほど具体的であるかを確認します。
自分と相手の目的は一致しているか?:自分と議論相手の議論に参加する目的が一致しているかを確認します。

さらに、議論の際には「議論が論点以外の部分に広がらないようにするために、意見の異なる部分を明確にし、他の部分では合意していることを確かめる」ということも重要です。論点を明確にすることで、議論の参加者が論点から外れてしまった際に引き戻しやすくなります。


また、ソ氏は自分の意見に耳を傾けてもらうには、まず相手の意見に耳を傾ける必要があるとも指摘しています。議論の初心者は「意見を聞く」という行為を受動的な行為と認識しがちですが、上級者は非常に能動的な要素として捉えているとのこと。相手の意見をしっかり聞くことで、「相手の意見の一部ではなく全体を理解し、ときには相手の意見をより優れたものに構築しなおすことで、双方に利益を生む」という建設的な行為が可能になります。

ソ氏は議論のテクニックをまとめた書籍「Good Arguments」も執筆しており、日本語訳版の『まずは「聞く」からはじめよう: 対話のためのディベート・レッスン』はAmazon.co.jpで税込2200円で入手可能です。

Amazon.co.jp: まずは「聞く」からはじめよう: 対話のためのディベート・レッスン : ボー・ソ, Bo Seo, 川添 節子: 本

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in 動画, Posted by log1o_hf

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