ついに東大でダークマターの直接観測に成功か

約1世紀にわたって謎に包まれてきたダークマターが、ついにその姿を現すかもしれません。東京大学の戸谷友則教授が、NASAのフェルミガンマ線宇宙望遠鏡の観測データから、ダークマターの直接的な証拠となるガンマ線を検出したと発表しました。
Press Releases - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10983/
20 GeV halo-like excess of the Galactic diffuse emission and implications for dark matter annihilation - IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/1475-7516/2025/11/080
[2507.07209] 20 GeV halo-like excess of the Galactic diffuse emission and implications for dark matter annihilation
https://arxiv.org/abs/2507.07209
In a First for Humanity, Scientists May Have Finally Seen Dark Matter - SciTechDaily
https://scitechdaily.com/in-a-first-for-humanity-scientists-may-have-finally-seen-dark-matter/
https://t.co/dsEJlcY7b5 東大からプレスリリースをさせていただきました。BBC, NBC, Guardian, Newsweek 含め、altmetric のよると世界中の40以上のメディアに取り上げられたようですが、日本のメディアからは華麗にスルーされたので今日はふて寝します
— 戸谷友則 (TOTANI, Tomonori) (@tomonoritotani) November 26, 2025
◆ダークマターとは?
1930年代初頭、スイスの天文学者フリッツ・ツヴィッキーは、多くの銀河が目に見える質量だけでは説明できないほど速く動いていることに気づきました。銀河を一体にまとめるには追加の重力が必要で、それが目に見えない構造、つまりダークマターによるものだと提唱しました。
◆ダークマターはなぜ検出が難しいのか
ダークマターが直接観測できないのは、ダークマターの粒子が電磁気力と相互作用しないことと、光を吸収することも反射することも放出することがないからです。
◆WIMPとガンマ線の探索
多くの科学者は、ダークマターが弱く相互作用する重い粒子「WIMP」で構成されていると考えています。2つのWIMPが衝突すると対消滅を起こし、ガンマ線光子を含むエネルギーの高い粒子を放出するという理論に基づいて、ダークマターが最も豊富に存在すると考えられる領域を研究してきました。戸谷教授は、ダークマター粒子の対消滅によって予測される結果と一致するガンマ線をフェルミガンマ線宇宙望遠鏡の新しい観測データから特定できたと考えています。
◆天の川銀河を取り巻く20GeVのガンマ線ハロー
「天の川銀河の中心に向かってハロー状の構造に広がる、光子エネルギーが20ギガ電子ボルトという非常に大きなエネルギーのガンマ線を検出しました。このガンマ線放射成分は、ダークマターハローから期待される形状と密接に一致しています」と教授は述べています。

さらに詳しい分析により、ガンマ線強度の分布は、陽子の約500倍の質量を持つ仮想的なWIMPの対消滅で予測されるレベルと一致していることがわかりました。ガンマ線の明るさに基づくWIMPの対消滅率の推定値も、確立された理論的予測の範囲内に収まっています。

◆有望なシグナル、ただし検証はこれから
今回の測定値は他の既知の天文学的プロセスやガンマ線の一般的な発生源では簡単に説明できないとのこと。そのため、このデータは研究者たちが数十年にわたって検出を試みてきたダークマター放射の強力な証拠である可能性があります。
◆発見を確認するための次のステップ
戸谷教授は自信を持っているものの、他の研究者によって独立して検証される必要があると強調しています。証拠を強化する方法の1つは、ダークマターの密度が高い他の場所で同様のガンマ線シグナルを特定すること。天の川銀河のハロー内にある矮小銀河は、特に有望な候補と考えられています。「より多くのデータが蓄積されればこれが実現できる可能性があり、そうなればガンマ線がダークマターに由来することのさらに強力な証拠となるでしょう」と述べています。
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