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中国が約2000機のドローンを台湾上空に飛ばしてStarlinkへのアクセスを遮断する大規模電子戦をシミュレーションしている

by David Rodriguez Martin

近年中国と台湾の間の緊張が高まっており、「中国が台湾を侵攻する可能性は十分ある」と指摘する声もあります。中国籍の船舶が台湾周辺の海底ケーブルを複数攻撃していると疑われている中で、中国が台湾のStarlink通信ネットワークを遮断するべく、2000機規模のドローンで上空からジャミングを行うシミュレーションを実施したと新たに報じられています。

Chinese researchers simulate large-scale electronic warfare against Elon Musk’s Starlink | South China Morning Post
https://www.scmp.com/news/china/science/article/3333523/chinese-researchers-simulate-large-scale-electronic-warfare-against-elon-musks-starlink

China simulated a Starlink blockade over Taiwan that uses around 2,000 drones with jammers to create an 'electromagnetic shield' — CCP scientists devise potential plan to cut off satellite internet to the island | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/networking/china-simulated-a-starlink-blockade-over-taiwan-ccp-scientists-say-around-1-000-drones-would-be-enough-to-cut-satellite-internet-to-the-island

2022年初頭にロシア軍がウクライナへ侵攻した際、ウクライナ政府はイーロン・マスク氏に衛星インターネットの提供を求め、数日以内に数千台のStarlink端末が現地に到着しました。

イーロン・マスクの指示で衛星インターネット「Starlink」がウクライナであっという間に利用可能に - GIGAZINE

by Tim Reckmann

ロシア軍は当初、妨害電波によるジャミングを試みて一定の成果を上げましたが、SpaceXがソフトウェアを更新して衛星群を再構成すると、ロシア側の妨害装置の多くが無効化され、戦場での通信優位性はウクライナ側に移りました。

香港メディアのSouth China Morning Post(SCMP)は、「台湾侵攻を想定する中国人民解放軍は、1万機以上の衛星がリアルタイムの対応でジャミングに抵抗できるStarlinkのような通信システムに対して、いかにして電子戦の優位性を確保するかという緊急の課題を突きつけられた」と指摘しています。

by Tony Webster

SCMPは、浙江大学と北京理工大学の研究チームがすでにStarlink衛星ネットワークを無力化するための詳細なシミュレーションを実施したと報じました。研究チームは、Starlinkのような複雑なメッシュネットワークに対抗するためには、ドローンや気球に搭載した多数の妨害装置を上空に展開し、戦場全体を覆う「電磁波シールド」を形成する必要があると結論づけているとのこと。

シミュレーションによると、理想的な条件下では935機の連携した妨害ノードがあればStarlinkへのアクセス遮断が可能ですが、より安価で低出力の実用的なドローンを使用する場合、その数は約2000機にまで増やす必要があると試算されています。

by Steve Elliott

こうした中国側の動きに対し、TSMCやASUSなどの半導体・コンピュータ企業を擁する台湾側もドローンや対ドローン装備への投資を進めており、イスラエルの防空システム「アイアンドーム」に着想を得た独自の防衛ネットワークの構築も検討していると報じられています。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by log1i_yk

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