「ロジャー・ラビット」の著作権がディズニーから生みの親に返還される

「ロジャー・ラビット」の著作権がディズニーの手から、生みの親であるゲイリー・K・ウルフ氏に戻ったことが明らかになりました。
ImNotBad.com - A Jessica Rabbit Site: Roger Rabbit Copyright Reverts to Creator Gary K. Wolf: New Plans Ahead
https://www.imnotbad.com/2025/11/roger-rabbit-copyright-reverts-to.html
Pluralistic: Disney lost Roger Rabbit (18 Nov 2025) – Pluralistic: Daily links from Cory Doctorow
https://pluralistic.net/2025/11/18/im-not-bad/#im-just-drawn-that-way
ウルフ氏は、1981年に出版された小説「Who Censored Roger Rabbit?」の著者です。ディズニーはこの作品のライセンスを取得し、1988年に実写とアニメーションを融合させた映画「ロジャー・ラビット」を公開しました。この映画は商業的および批評的に高い評価を受けたにもかかわらず、ディズニーは長編の続編を制作していません。
「作品を制作し、それが爆発的な人気を博したにもかかわらず、権利を所有しながら行使を拒否する」というディズニーの姿勢は、「クリエイターにとって悪夢のようなシナリオである」と、ジャーナリストのコリー・ドクトロウ氏は指摘しています。
著作権法にはこのような罠に陥ったクリエイターを救済するために著作権返還条項が存在します。著作権返還条項は1976年の著作権法によって導入されたもので、クリエイターは35年間の猶予期間の後、アメリカ著作権局に書類を提出することで、他者に譲渡した著作権ライセンスを一方的に解除することができます。著作権返還条項は強力な内容であるだけでなく、他とは異なりクリエイターにのみ利益をもたらす内容という点で特殊です。

この著作権返還条項を用いることで、ウルフ氏がロジャー・ラビットの著作権を取り戻したことが明らかになりました。ウルフ氏は「どんな続編を作るにしても、少なくともオリジナルのクオリティに匹敵するものにしなければいけません。制作の質、トーン、脚本、共感性、キャラクターの描写などあらゆる面で、です。前作と同等かそれ以上のクオリティでなければいけません。それがファンの願いであり、私はファンにそれを提供すると約束します」と語っています。
ウルフ氏が「Hairy Wolf」という全12話のテレビミステリーシリーズを構想している際に、「トゥーンタウンの著作権は誰が所有しているのか?」という疑問が生じたそうです。これについて調査する中で、ロジャー・ラビットが著作権返還条項に該当することが明らかになった模様。弁護士から「ロジャー・ラビットの著作権をディズニーから取り戻せるかもしれない」と言われた際、ウルフ氏は「そんなわけない」と返答したそうです。
ウルフ氏は「初め、これは議論の多いプロセスになるだろうと予想していました。何が起こるか誰にも分かりませんでした。しかし、そうではありませんでした。(ディズニーの対応は)とても礼儀正しく、丁寧で、率直でした」と語っています。
「ディズニーは私にとって常に最高の存在でした。彼らは私をとても丁寧に扱ってくれました。私が何をしたいとしても、いつも快く受け入れてくれました」とも語っており、ウルフ氏とディズニーの関係が良好であることが伺えます。

ロジャー・ラビットの著作権は2024年にひっそりと返還され、ウルフ氏は1988年に公開された「ロジャー・ラビット」に匹敵する映画やシリーズの制作に向けてプロジェクトをスタートさせています。ウルフ氏は「現在検討しているのは、私の小説を原作とした映画です。その権利は再び私が取得しました。『Who Censored Roger Rabbit?』の原作にもっと忠実なものを検討中です。吹き出しやキャラクター設定などを、なぜ原作に忠実にしなかったのかと多くの人に聞かれてきましたから」と語っています。
また、ウルフ氏は「最も目立っているのは、『Jessica Rabbit: XERIOUS Business』という書籍を原作とした、ジェシカ・ラビットの実写映画です。これは我々が最初に検討し、開発に着手したプロジェクトです。恐らく今のところ、最も進んでいるプロジェクトでもあります」とも語っています。

なお、映画「ロジャー・ラビット」のロバート・ゼメキス監督は、2024年に「今のディズニーは絶対に『ロジャー・ラビット』を作らないでしょう。ジェシカが出演する映画なんて作れません。ピーター・シーマンとジェフリー・プライスによる続編の脚本は、どんなに素晴らしくても日の目を見ることはないでしょう。テーマパークでジェシカに何をしたか見てみください。トレンチコートを着せたんですから」と発言していました。
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