選挙で投票しない人は早死にする傾向があるという研究結果

選挙は投票を通じて民意を政治に反映させる重要な行為ですが、つい投票所へ行くのを面倒に感じてサボってしまったり、うっかり投票日を忘れてしまったりした経験がある人もいるはず。300万人以上を対象にした新たな研究で、「選挙で投票しないこと」と死亡リスクの上昇との間に、強い関連性があることが判明しました。
Voting is a stronger determinant of mortality than education: a full-electorate survival analysis with 21-year follow-up | Journal of Epidemiology & Community Health
https://jech.bmj.com/content/early/2025/10/28/jech-2025-224663

Study of 3 million people finds non-voters tend to die earlier
https://www.psypost.org/study-of-3-million-people-finds-non-voters-tend-to-die-earlier/
人の健康は遺伝やライフスタイルだけでなく、社会・経済・環境といった幅広い要因によって形作られることがわかっています。その観点で見ると「投票」という行為は、個人が地域社会とどのように関わっており、医療や環境の質といった自分自身の幸福に影響する政策に関与する能力を測る尺度だといえます。
これまでの研究でも、個人の社会参画と健康との関連性が示唆されてきましたが、その多くはアンケート調査に依存しており、人々の記憶や願望に影響を受けていた可能性があります。そこで、フィンランドのヘルシンキ大学人口統計・人口保健研究所の研究チームは、投票という客観的で記録に残る行為を用いて、健康との関連性を調査しました。
研究チームは今回の調査にあたり、フィンランド統計局からフィンランド全土の有権者を網羅した1999年の国会選挙の公式投票者名簿を入手しました。このデータを2020年末までの人口統計データや死亡証明書などの国家行政記録と照合し、1999年の選挙時点で30歳以上だった合計310万人以上のフィンランド居住者について、投票行動とその後21年間の死亡率の関連性を分析しました。
この方法を採用することで、研究チームは年齢や性別、学歴といった死亡リスクに関連するさまざまな要因を考慮しつつ、投票行動と死亡率の関連性を調べることが可能になったとのこと。

分析の結果、投票した人と投票しなかった人の間で、その後の死亡率に明確かつ大きな差が存在することがわかりました。年齢を調節した分析では、1999年の選挙で投票しなかった男性は投票した男性に比べて、その後21年間の死亡率が73%も高くなりました。女性についても同様の傾向がみられ、選挙で投票しなかった女性は投票した女性に比べ、その後の死亡率が63%も高いことが示されました。
また、研究チームが統計モデルに学歴を導入した後も、依然として投票行動と死亡率との関連性は非常に強いままでした。投票した人としなかった人の死亡率格差は、義務教育のみを受けた人と高等教育を修了した人の死亡率格差よりも大きかったとのことで、投票行動と健康との間に強力なつながりがあることが浮き彫りとなっています。
具体的な死因に目を向けたところ、事故・暴力・アルコールに起因する症状といった「外的」な原因による死亡リスクは、投票しない人の方が投票する人の2倍という結果になりました。これは、投票しないことと特定の行動・環境に潜在的な関連性があることを示唆しています。
さらにこの研究では、年齢や性別による差異も明らかになっています。投票した人としなかった人の死亡率の差は、50歳未満の若年層で最も高くなっていました。また、75歳以上の女性で投票しなかった人は、同年代の男性と比べて死亡率が高くなりました。一般に女性の平均寿命は男性よりも長いため、これは異例のことです。

今回の研究はあくまで相関関係を調べたものであり、「投票しないことが健康状態の悪化につながる」「根本的な健康問題や社会的障害が投票を困難にしている」といった因果関係は不明です。また、投票行動の分析に使われたのは1回の選挙のみであるため、必ずしも個人の長期的な投票週間を反映していない点にも注意が必要です。
因果関係がどうであれ、研究チームは投票パターンに関する情報が人々の健康状態を監視し、格差を特定するための有用な指標となり得ると示唆しています。また、死亡率の高い人々の民意が投票によって反映されにくくなっており、彼らの持つニーズや健康上の懸念が政治的な関心を得られにくい懸念もあると、研究チームは指摘しました。
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