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ウクライナが「阻止はほぼ不可能」なロシアのミサイルを歌で妨害し撃墜


ロシアの侵攻を受けるウクライナが、「阻止はほぼ不可能」といわれるロシアのミサイルを効果的に妨害していると伝えられています。ウクライナ軍は、ミサイルに「歌」を送り込むことで対応しているとのことです。

Ukraine Is Jamming Russia’s ‘Superweapon’ With a Song
https://www.404media.co/ukraine-is-jamming-russias-superweapon-with-a-song/


ロシアは「キンジャール」と呼ばれるミサイルを用いた電力・水道インフラへの攻撃を強化しており、2025年10月初旬の夜間攻撃ではキンジャールを含む53発のミサイルと496機のドローンを投入しました。10月末の別の攻撃では、700発以上のミサイルとドローンの混合攻撃を行っています。

キンジャールはアメリカのジョー・バイデン前大統領が「阻止はほぼ不可能」と評するなど、対策が困難なことで知られており、効果的に迎撃可能なのはアメリカが提供するパトリオットミサイルを用いた防衛システムだと考えられてきました。


しかし、ウクライナの電子戦チーム「ナイトウォッチ」が海外メディアの404 Mediaに語ったところによると、ナイトウォッチは「リマEW」と呼ばれる妨害システムを使用し、領域内のあらゆるものが衛星と通信できないようにする妨害フィールドを生みだすことでキンジャールを撃墜しているとのこと。

キンジャールはGPSのロシア版に相当する衛星測位システム「GLONASS」で衛星と通信しています。


ナイトウォッチは、キンジャールが衛星から受け取る航法信号をウクライナの歌「我らの父バンデラ」で上書き。歌攻撃を受けたキンジャールは現在地をペルーのリマだと誤認して方向転換しようと試みますが、最高速度がマッハ5(時速6000km以上)ともなると急激な方向転換が命取りとなり、真っ二つに折れてしまうそうです。

航法システムの妨害はデジタルノイズやランダム信号でも可能ですが、攻撃に「我らの父バンデラ」を使うことについて、ナイトウォッチのメンバーは「一種のジョーク」と説明しています。

「我らの父バンデラ」の題材となっているステパン・バンデラは、民族解放運動のリーダーでソビエト連邦からのウクライナ独立を主張した人物です。ソ連からの解放を期待してナチス・ドイツを支持したものの、ナチス・ドイツもウクライナ独立を認めず、両陣営から追われる身となり、第二次世界大戦後、ソ連のスパイによって暗殺されました。

ロシアは、バンデラがナチス・ドイツを支持したことがあるのを背景に、「我らの父バンデラ」を「ウクライナ人は全員ナチス」「ウクライナ人は文化的にバンデラを同じ」と印象付けるプロパガンダに利用しています。ナイトウォッチは、ロシアに「お返し」しているというわけです。

ナイトウォッチによると、キンジャールには妨害や偽装に耐えるよう設計されたアンテナが搭載されているものの、旧ソ連時代の古いシステムが搭載されているため妨害は容易だとのこと。ロシア側はミサイルの受信機数を増やすことで対策を試みていますが、ナイトウォッチによると受信機をいくら増やしても無駄だとのことで、今後も撃墜は可能だと見込まれています。

ナイトウォッチは、2週間で19発のミサイルを迎撃できたと報告しています。

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in メモ, Posted by log1p_kr

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