「ネアンデルタール人が消えたのは遺伝子がホモ・サピエンスに吸収されていったから」という説が提唱される

ヒト属の一種であるネアンデルタール人は約40万年前に現れ、ホモ・サピエンス(現生人類)と長らく共存していたものの、約4万年前に絶滅したといわれています。ネアンデルタール人が絶滅した原因には諸説ありますが、学術誌のScientific Reportsに掲載された新たな論文で、「ネアンデルタール人が消えたのは遺伝子が徐々にホモ・サピエンスへ吸収されていったから」という説が提唱されました。
A simple analytical model for Neanderthal disappearance due to genetic dilution by recurrent small-scale immigrations of modern humans | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-025-22376-6

Neanderthals May Never Have Truly Gone Extinct, Study Reveals : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/neanderthals-may-never-have-truly-gone-extinct-study-reveals
近年ではさまざまな考古学的証拠やゲノム研究の蓄積により、現生人類とネアンデルタール人が数万年にわたって交配していたことが明らかとなっています。アフリカ系以外の人々はネアンデルタール人からDNAの1~4%を受け継いでいるとされており、ネアンデルタール人に由来するDNAが痛みの感受性や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化リスク、日光への適応能力などに影響していることがわかっています。
早起きな人はネアンデルタール人からその遺伝子を受け継いだ可能性がある - GIGAZINE

ネアンデルタール人が絶滅した正確な理由はわかっておらず、環境の変化や遺伝的多様性の喪失、ホモ・サピエンスとの競争などさまざまな原因が提唱されています。中には、ネアンデルタール人の人口サイズが小さかったため、特別な外部要因がなくても勝手に絶滅してしまったという説もあります。
ネアンデルタール人は人間に絶滅させられたのではなく「勝手に絶滅した」という主張 - GIGAZINE

by Young Sok Yun 윤영석
そんな中、イタリアのローマ・トル・ヴェルガータ大学のコンピューター化学者であるアンドレア・アマデイ氏らの研究チームは、これまでに提唱された説を残しつつ、ネアンデルタール人が地球上から消え去った理由を説明する新たな説を提唱しました。
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in 無料メンバー, サイエンス, Posted by log1h_ik
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