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「AIを好む人」と「AIを嫌う人」を分けるものは一体何なのか?


近頃はChatGPTにメールの文面を作成してもらったり、AIアルゴリズムがユーザーに音楽や映画をオススメしてきたり、病気の診断にAIを活用したりすることが一般的になっています。しかし、AIが社会に浸透しつつある中でも、AIツールを好んで使用する人もいれば嫌悪感を抱く人もいます。「AIを好む人」と「AIを嫌う人」を分けるものは一体何なのかについて、イギリス・アストン大学アストンビジネススクールで教育・学生体験担当副学部長を務めるポール・ジョーンズ氏が解説しました。

Why do some of us love AI, while others hate it? The answer is in how our brains perceive risk and trust
https://theconversation.com/why-do-some-of-us-love-ai-while-others-hate-it-the-answer-is-in-how-our-brains-perceive-risk-and-trust-268588


◆アルゴリズム嫌悪
ジョーンズ氏は、一定数の人々がAIを嫌う一因としてアルゴリズム嫌悪を挙げています。これは「人々はアルゴリズムによる意思決定よりも人間の意思決定を好む」という傾向のことであり、ある研究では人々がアルゴリズムによるエラーよりも、人間による判断ミスの方を好む傾向があることが示されました。

人間は自分が理解しやすいものを信頼する傾向があります。たとえば、「キーを回せば車のエンジンがかかる」「ボタンを押すとエレベーターが到着する」といった従来のシステムは、なじみ深く直感的に理解しやすいものです。一方、多くのAIシステムはブラックボックスのように動作するため、何かを入力して回答が出力されるまでのロジックが隠されています。

人々は因果関係を視覚的に確認し、判断内容を検証することを好みますが、AIシステムではそれができないため無力感を覚えます。これが、人々がアルゴリズム嫌悪を抱く原因になっているとジョーンズ氏は指摘しています。


◆AIへの感情の投影

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