Mozillaのサポートページを和訳してきた日本語コミュニティが解散、Mozillaが勝手に機械翻訳ボットでページを上書きし始めたため

Firefoxの開発元であるMozillaのサポートページは有志によって日本語を含む世界中の言語に翻訳されています。ところが、2025年10月22日に「Mozillaが作成した機械翻訳ボットが記事を勝手に上書きする」という事態が発生。これを受けて日本語への翻訳を行ってきた日本語コミュニティが解散を宣言しました。
End of Japanese community | SUMO community discussions | Forums | Mozilla Support
https://support.mozilla.org/en-US/forums/contributors/717446

Mozillaのサポートページの変更履歴が以下。2025年10月22日に「SuMo Bot」というボットが大量の記事を更新したことが分かります。各更新には「72時間以内にレビューされなかったので自動的に承認された」というコメントも付いています。なお、SuMo Botは1日で数百件に及ぶ記事を更新しており、日本語コミュニティが72時間以内にすべての変更をレビューするのは実質的に不可能でした。

この事態を受けて、2025年10月25日に、日本語のロケールリーダーを務めてきたmarsf氏が日本語コミュニティのSlack内でサポートページへの貢献停止およびコミュニティの解散の考えを共有しました。そして、2025年11月4日にサポートページの公式フォーラムに「End of Japanese community」と題した解散告知を投稿。marsf氏は解散告知の中で以下の問題点を挙げています。
・SuMo Botは翻訳ガイドラインに従っていない
・SuMo Botの翻訳は日本語ユーザー向けのローカライズを尊重していない
・SuMo Botによる変更は72時間で承認されてしまうため、新たな人間の貢献者を育てることができない
・SuMo Botは日本語コミュニティの承認・制御・コミュニケーションを無視して実行されている
・300件以上の記事がSuMo Botによって上書きされている
また、marsf氏は自身の翻訳内容をSuMo BotやAIの学習データとして使うことを禁止することも求めています。
なお、Mozillaのサポートページの品質が今度どのように変化していくのかは未知数ですが、機械翻訳を多用しているMicrosoftの日本語ドキュメントの場合、「help」が「助けて」に訳されたり、間違ったコマンドが記されていたり、そもそも文章が意味不明になっていたりと品質の低さが目立っています。

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