Epic GamesとGoogleのアプリストアを巡る訴訟が和解、取引の種類に応じて標準手数料を20%または9%に引き下げることにGoogleが同意

Googleが自社アプリストアを介したアプリの購入やアプリ内課金に対し15~30%の手数料を徴収していることに反発したEpic Gamesは、アプリストアを経由しない独自の決済方式を導入した結果Googleに規約違反としてアプリを削除されたことで、Googleを反競争的として訴えました。2020年から約5年続いたこの訴訟がついに決着し、Epic GamesとGoogleが和解に合意したことが発表されました。
Epic and Google agree to settle their lawsuit and change Android’s fate globally | The Verge
https://www.theverge.com/policy/813991/epic-google-proposed-settlement

Google Agrees to Make Major Play Store Changes to Settle Epic Games Antitrust Lawsuit - MacRumors
https://www.macrumors.com/2025/11/05/google-epic-games-antitrust-settlement/
Epic Gamesは2020年8月、Google Playの手数料および決済制限について反競争的として訴訟を提起しました。2023年12月には「Googleがアプリストアを通じて反競争的な市場を形成した」とEpic Gamesの訴えを認める判決が下されたほか、2025年7月の控訴審でも「Googleのアプリストアと決済システムは違法な独占状態にある」という判断が支持されています。結果として、Googleは2025年10月末までに決済制限の撤廃やサードパーティーアプリの配布を認めることなどが義務付けられました。
GoogleがEpic Gamesとの裁判の執行停止要請を棄却される、Googleは2025年10月中に外部決済を広く認めないと違反に - GIGAZINE

訴訟は控訴審を含めてEpic Gamesがおおむね勝訴しており、Googleは上告審も受理されない上で命令の一時停止も却下されていました。そこでGoogleは、よりグローバルな自主改善案を含む条件変更により、Epic Gamesと和解したことを発表しました。
Googleのプラットフォーム&エコシステム担当プレジデントであるサミール・サマット氏は2025年11月5日に、「エキサイティングなニュースです!」としてEpic Gamesと和解したことをXの投稿で知らせました。投稿によると、AndroidおよびGoogle Playに対する変更案として、開発者の選択肢と柔軟性を拡大して手数料を引き下げ、より多くの競争を促進することに焦点を当てると同時にユーザーの安全を守るものを裁判所に提出したとのこと。この和解案が承認されると訴訟が解決されることになります。
Exciting news! Together with Epic Games we have filed a proposed set of changes to Android and Google Play that focus on expanding developer choice and flexibility, lowering fees, and encouraging more competition all while keeping users safe. If approved, this would resolve our…
— Sameer Samat (@ssamat) November 5, 2025
また、Googleの広報担当者であるダン・ジャクソン氏はメディアの取材に対し、「和解案により、手数料は5%削減されます。今回の新しいモデル提案は、アメリカの開発者向けにより低い料金体系を導入し、サービス料金をGoogle Play Billingの使用料金から分離します」と説明しました。
Epic GamesのCEOであるティム・スウィーニー氏は、「Googleは、裁判所の承認を条件に、Androidをオープン化し紛争を解決するという素晴らしい提案を行いました。この提案は、Android本来のオープンプラットフォームとしてのビジョンを真に強化するもので、競合ストアのインストールを世界規模で効率化し、Google Playにおける開発者のサービス手数料を削減し、サードパーティによるアプリ内およびウェブ決済を可能にします。これは包括的な解決策であり、競合ストアをすべてブロックし、決済手段を唯一の競争手段とするAppleのモデルとは対照的です」と投稿し、Googleの和解案を支持しています。
Google has made an awesome proposal, subject to court approval, to open up Android in the US Epic v Google case and settle our disputes. It genuinely doubles down on Android's original vision as an open platform to streamline competing store installs globally, reduce service fees… https://t.co/Q6E4XE3ych
— Tim Sweeney (@TimSweeneyEpic) November 5, 2025
GoogleとEpic Gamesが裁判所に提出した和解案で提案されている変更点は以下の通り。
・アプリ配信・課金プラットフォーム構造のグローバル展開
アメリカ国内だけではなく、2032年までに世界規模に適用されていく可能性が示されています。
・手数料の大幅改訂
サービス手数料を、ゲーム内購入でパワーアップや追加キャラクターの取得など「ゲームプレイに実質的な有意を与えるもの」は20%、それ以外の見た目が変わるスキンや装飾、追加レベルの購入などは9%に引き下げる案。
・サードパーティーのアプリストアの導入促進
サードパーティーのプラットフォームからアプリをインストールすることを容認するだけではなく、促進プログラムを設けることで、サイドローディングを安全かつ容易な形で提供していく設計が見込まれています。
・排他契約および事前インストール優遇の禁止
Googleが端末メーカーや通信キャリア、アプリ配信者等と結んでいた優遇措置を禁止する条項で、優遇的なプリインストールや競合アプリの排他措置を停止・禁止します。
・開発者とユーザー間の情報伝達、決済方法の自由化
開発者がアプリ内または外部リンクを通じて、Google Play決済以外の決済方法への案内をできるようにすることを定めています。なお、ユーザーがアプリ開発者のサイトをクリックしてアプリの代金を支払った場合でも、理論的にはGoogleが手数料を受け取ることができるということも和解案では示唆されていますが、ジャクソン氏は「ユーザーが代替課金システムでの支払いを選択した場合、開発者はGoogleに課金手数料を支払うことはありません」と述べています。
この和解案は裁判所の承認が必要であり、現地時間の2025年11月6日にカリフォルニア州サンフランシスコの連邦裁判所に審議される予定です。
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