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Wikipedia創設者ジミー・ウェールズが「ガザ虐殺」記事に介入、イスラエルが虐殺しているという内容は中立ではないと主張


「ガザ虐殺」と題されたWikipediaページの内容の中立性をめぐり、Wikipedia共同創設者のジミー・ウェールズ氏が論争に介入しました。ウェールズ氏は、「イスラエルが虐殺をしている」と見なす記事の構成は中立的ではないと非難しています。

Talk:Gaza genocide - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Talk:Gaza_genocide#Statement_from_Jimbo_Wales

Wikipedia row erupts as Jimmy Wales intervenes on 'Gaza genocide' page | The National
https://www.thenational.scot/news/25591165.wikipedia-row-erupts-jimmy-wales-intervenes-gaza-genocide-page/

Wikipedia co-founder joins editing conflict over the Gaza genocide page | The Verge
https://www.theverge.com/news/813245/wikipedia-co-founder-jimmy-wales-gaza-genocide

英語版の「ガザ虐殺」ページは、「ガザ虐殺とは、ガザ戦争中にイスラエルがガザ地区のパレスチナ人を対象に継続的・意図的・組織的に行っている破壊行為である」という書き出しから始まり、国際司法裁判所がイスラエルに対して虐殺行為(ジェノサイド)の防止を求めたこと、国連調査委員会とアムネスティ・インターナショナルが「証拠から導き出せる唯一の合理的な推論」としてイスラエルにジェノサイドの意図があると結論付けたことなどに加え、「イスラエルのガザにおける行動はジェノサイドに該当するというコンセンサスが高まっている。イスラエルとその支持者は、この非難を否定している」とする記述を盛り込んでいます。


この記事に関する議論は激化しており、2025年10月28日には記事の編集を一時ロックする変更が行われたばかりです。この変更の数日後、Wikipedia共同創業者のウェールズ氏が議論に加わりました。ウェールズ氏は以下のコメントを残しています。

「Wikipediaは、中立的な観点に基づく記事執筆への取り組みを基盤とした合理的な議論が交わされる時に、その真価を発揮すると確信しています。特に困難なテーマや論争の多いテーマにおいては、それが極めて重要だと考えています。この件について、ある著名なメディアのインタビューで直接問われ、私は透明性と誠実さをもって答えました:この記事は私たちの高い基準を満たしておらず、早急な対応が必要です」


「ご存知の方も多いでしょうが、私はNPOV(中立的な観点)作業部会を率い、『シオニズム』を含む多くの記事や分野におけるWikipediaの中立性問題を検討してきました。ガザ虐殺の記事は特にひどい事例で、取り組むべき課題は山積しています。言うまでもなく、これは私個人の見解であり、ウィキメディア財団や他者の代弁ではありません!」

「現状、書き出しおよび全体的な記述は、『イスラエルがジェノサイドを実行中』と断定していますが、この主張は強く争われています。これはNPOVおよびATTRIBUTEPOV(偏った記述は帰属化・明確化する)原則に違反しており、即時修正が必要です。中立的なアプローチでは、次のような表現から始めるべきです。『複数の政府、NGO、法機関が、ガザにおけるイスラエルの行動をジェノサイドと表現することを支持または否定している』」


ウェールズ氏のコメントに対しては、「国際司法裁判所がまだこの件について判決を下していないという事実も考慮する必要があります。これはまだ議論が続いている問題であり、ジェノサイドであると断言することは適切ではありません」という意見や、「コミュニティで最も読まれ議論されている記事が粗末だと示唆するのは、コミュニティに対する悪意ある解釈です。記事作成時には数十時間に及ぶ議論が行われました」という意見など、さまざまな声が寄せられています。あるユーザーは、「ウェールズが政治的圧力を受けており、我々に学問を裏切るよう要求してきた」と非難しました。

ウェールズ氏はこれに対し「外部からの圧力は無関係です。ある議論でどちらかの立場を取るのではなく、慎重かつ中立的に記録することが大事です」と主張。加えて重要な背景情報として、「Cdjp1」というユーザーが「ガザ虐殺」記事に15万0039文字を追加しており、記事全体の41%を占めていること、比較すると次にアクティブな編集者はわずか2万8000文字(7.7%)しか追加しておらず偏りがあること、Cdjp1はウェールズ氏が「偏りがある」と指摘した「チャーリー・カーク」の記事のトップ編集者の1人でもあること、Cdjp1が「ジェノサイド」問題に取り組んだのは今回が初めてではなく、「パレスチナジェノサイド告発」という全く別の記事でも記事全体の40%に関わった最大の寄稿者であることなどを指摘しました。

なお、Cdjp1氏も、「ガザ虐殺」の議論ページで多数の意見を投じています。

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in メモ, Posted by log1p_kr

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