Pythonソフトウェア財団が2億円超の政府助成金プログラム申請を取り下げ、「DEI」が原因か

組織として初めて政府助成金の申請を行ったPythonソフトウェア財団が、助成対象に推薦されながらも、受給時の条件についてリスクがあるとして申請を取り下げたことを明らかにしました。
Python Software Foundation News: The PSF has withdrawn a $1.5 million proposal to US government grant program
https://pyfound.blogspot.com/2025/10/NSF-funding-statement.html

Pythonソフトウェア財団はPythonとPyPIの構造的脆弱性への対処のため、2025年1月、アメリカ国立科学財団の「オープンソースエコシステムの安全性・セキュリティ・プライバシー」プログラムに提案書を提出しました。
スタッフ数が14名、年間予算が約500万ドル(約7億6000万円)というPythonソフトウェア財団にとって、2年間で150万ドル(約2億2800万円)という助成金は非常に大きなもので、これまでに財団が受けた中でも最大の助成金となる見込みでした。
「もし提案が採択されるならコミュニティへの恩恵は計り知れないと確信した」とのことで、Pythonソフトウェア財団は常駐セキュリティ開発者のセス・ラーソン氏と副事務局長のローレン・クラリー氏を主任研究者に立てて、このプロセスに臨みました。
アメリカ国立科学財団の新規助成申請者のうち、初回で採択されるのは36%と半分以下なのですが、Pythonソフトウェア財団はこの狭き門をくぐり抜けて、助成対象として推薦を受けることができました。
ところが助成金受諾にあたって、「助成を受けている期間中は、連邦の反差別法に違反するDEI(多様性・公平性・包摂性)推進プログラムや不平等な公平性イデオロギーを推進・促進するようなプログラムを実行せず、また今後も実行しない」という声明の承認が求められたとのこと。
検討の末、Pythonソフトウェア財団は「DEIはPythonソフトウェア財団の価値観の中核をなすもの」という使命に立ち返り、「DEIを推進・促進するプログラムを一切実施しない」という声明には同意できないとして、理事会の満場一致で申請取り下げを決定しました。
この決定についてPythonソフトウェア財団は、助成金を受ける機会を断念したことでこれまで以上に財政的支援が必要な状態にあると明かし、会員や定期的に寄付を行っている人へ感謝を述べると共に、Pythonソフトウェア財団の使命と活動への認知を広めることへの協力を呼びかけています。
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in メモ, ソフトウェア, Posted by logc_nt
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