ついにアイスランドで初めて「蚊」の存在が報告されてしまう、蚊が存在しないのは南極だけに

世界のさまざまな人口データを集計して地図上に表示する世界人口レビューの「蚊のいない国2025」では、世界で唯一アイスランドだけが表示されていました。しかし2025年10月20日、アイスランド自然史研究所は、国内で初めて蚊が発見されたことを発表しました。
Moskítófluga greind á Íslandi í fyrsta sinn | Náttúrufræðistofnun
https://www.natt.is/is/frettir/2025/10/moskitofluga-greind-islandi-i-fyrsta-sinn
Mosquitoes appear in Iceland for the first time : NPR
https://www.npr.org/2025/10/22/nx-s1-5582748/iceland-mosquitoes-first-time
アイスランドには緑豊かな自然と季節ごとの気温があり、昆虫の生存に必要な環境がそろっていますが、蚊が生息していません。世界人口レビューによると、アイスランドの独特な気候と生態系や、蚊の繁殖に必要な温かくよどんだ水が不足している点などが、蚊の繁殖に適していないと考えられるそうです。
アイスランド南西部のキョウス地域にある農場を管理するビョルン・ヒャルタソン氏は、2025年10月16日から18日にかけて、蝶を誘引するために使われていた赤ワインのトラップに、見たことのない3匹の小さな羽虫が付着していたことを発見しました。昆虫愛好家でもあるヒャルタソン氏はすぐに今まで見たことのない種だと気付いたため、アイスランド自然史研究所の昆虫学者に発見した虫の標本を送付しました。

その羽虫を調べたところ、「Culiseta annulata」という種類の蚊であることが明らかになりました。3匹のうちメスが2匹、オスが1匹でした。以下は、アイスランド自然史研究所が掲載したCuliseta annulataの写真で、左側がメス、右側がオスです。サムネイルではモザイクをかけていますが、画像をクリックすることで元の写真を見ることができます。

Culiseta annulataはヨーロッパ各地に広く分布しており、比較的寒冷な気候にも適応していますが、アイスランドでこの種の蚊が確認されたのは今回が初めてです。Culiseta annulataは吸血をしますが、感染症を媒介する事例は知られていないため、人への危険性は低いと考えられています。
Culiseta annulataがどのようにアイスランドの農場に到着したかは不明。アイスランド自然史研究所によると、貨物輸送によって運ばれ、ある程度の期間アイスランドの環境で生存していた可能性が高いとのこと。
アイスランドでは飛行機内で蚊が見つかったと報告されたことはありますが、国内である程度生存したと思われる蚊が発見されたのは今回が初めてです。アイスランド自然史研究所は国内初となる蚊の生息について「温暖化と輸送量の増加が一因」と述べています。国として分類される地域で唯一蚊がいないとされていたアイスランドで蚊が発見されたため、世界で蚊がいないとされるのは南極だけとなりました。
アイスランド自然史研究所は、今後もCuliseta annulataの動向を監視し、もしこの種に似た蚊を国内で見かけたら写真や標本を送るよう、市民に呼びかけています。
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in 生き物, Posted by log1e_dh
You can read the machine translated English article Finally, the presence of 'mosquitoes….







