日本などの東アジア諸国の幸福度が低い原因を説明する「5つの文化的傾向」とは?

さまざまな研究により、「日本や韓国などを含む東アジア諸国は、西洋諸国に比べて幸福度が低い」という結果が示されています。韓国の研究者らが発表した論文では、東アジア諸国の幸福度が低い原因となっているかもしれない「5つの文化的傾向」が提唱されました。
Unraveling Why Happiness Levels Vary Across Cultures: Mechanisms Underlying East‐West Differences - Choi - 2025 - Social and Personality Psychology Compass - Wiley Online Library
https://compass.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/spc3.70078

Five cultural tendencies might explain the "East Asian happiness puzzle"
https://www.psypost.org/five-cultural-tendencies-might-explain-the-east-asian-happiness-puzzle/
多くの経済学者や政策立案者らは、長年にわたって「国家の繁栄が国民の幸福度を高める」という考えを信じており、実際に豊かな国は幸福度が高い傾向がみられます。しかし、日本や韓国などの世界的に見ても豊かな東アジア諸国は、同じ程度に豊かな西洋諸国と比較して幸福度が低いことがわかっています。この幸福度の違いは所得や社会的平等、権利などを考慮しても説明することはできませんでした。
今回、韓国の慶熙大学校と高麗大学校の研究者らは、このパラドックスを説明するために経済や政治に焦点を当てるのではなく、「人々が自分自身や感情、社会についてどう考えているのか」に着目して調査を行いました。
研究者らは最大147カ国を対象とした世界規模の調査や、数百人の東アジア人とヨーロッパ系アメリカ人を比較した実験、集中状態に測定された脳波、稲作地域と小麦作地域のコミュニティ分析などを徹底的に調査したとのこと。これらの多様な証拠を統合することで、研究者らは東アジアの幸福度が低い理由を説明できる「5つの文化的傾向」を特定しました。
研究チームが特定した5つの文化的傾向は以下の通り。
◆1:東アジア人は謙虚でつつましい
全体的に見ると東アジア人は謙虚でつつましく、自己批判的な態度で個人のプライドを抑制し、自分自身を控えめに評価する傾向があるとのこと。これと対照的に、西洋人は自己肯定感を高めたり、幸福感を高める自己啓発を重視したりします。実験によると、ヨーロッパ系アメリカ人は短所よりも長所を重視するのに対し、東アジア人は長所と短所に同等の重み付けをすることが示されています。

◆2:東アジア人は幸福の基準を外部に求めがち
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