修理中のロボットにふっ飛ばされて意識を失ったテスラ工場の技術者が77億円超えの訴訟を起こす

カリフォルニア州フリーモントにあるテスラの製造工場で負傷したとして、ロボット技術者がテスラを相手取り5100万ドル(約77億4000万円)の損害賠償金を求める訴訟を起こしたことが分かりました。
Tesla factory technician sues for $51 million after assembly-line robot knocks him unconscious | The Independent
https://www.independent.co.uk/news/world/americas/tesla-elon-musk-fremont-robot-lawsuit-b2831485.html

訴状によると、ロボット技術者のピーター・ヒンタードブラー氏がロボットのモーターを取り外そうとしたところ、固定されていたロボットアームが突然解放されてしまい、ヒンタードブラー氏にぶつかって重傷を負ってしまったとのこと。
訴状には、「アームは相当な力でヒンタードブラー氏に激突し、氏は床に投げ飛ばされて意識を失うなど、複数の負傷を負わせた」と記されています。
これにより、50歳だったヒンタードブラー氏は高額の医療費の支払いに苦しむことになりました。
ヒンタードブラー氏はこれまでに100万ドル(約1億5000万円)の医療費を請求されており、今後少なくともさらに600万ドル(約91億円)の費用が見込まれているとのこと。この700万ドル分の補償に加え、肉体的苦痛に対して2000万ドル(約30億円)、精神的苦痛に対して1000万ドル(約15億2000万円)、これまでの収入喪失に対する補償として100万ドル、将来の収入喪失に対する補償として800万ドル(約12億1000万円)、過去および将来の家事サービス喪失に対する補償として500万ドル(約7億6000万円)、合わせて5100万ドルを支払うよう、テスラに求めています。

ヒンタードブラー氏は、「ロボットが本来指定されていない区域に配置されていた。テスラはロボットの操作、保守、監督、訓練などにおいて、注意義務を負っていたはずである」と主張しています。
また、訴訟において、ヒンタードブラー氏は事件時の映像の開示を繰り返し求めたものの、拒否されたとのことです。
なお、テスラの工場で使われていたロボットはファナックというメーカーの製品でした。訴状では、「ファナックのロボット設計に過失があり、安全な操作方法についてユーザーに適切な指示を行わなかったこと、さらにロボットが危険かつ予期せぬ形で故障したことについて責任がある」とも主張されています。
ファナックは過去に、自社ロボットに関連する申し立てで訴訟を起こされています。2015年、ミシガン州の自動車部品工場で技術者がファナック製ロボットに予期せず閉じ込められ、頭蓋骨をつぶされて死亡しました。

テスラの工場では、2021年にも事故が起きています。調査報告書によると、テキサス州オースティンにある工場でエンジニアにロボットが接触し、壁に押し付けられ、現場に「血の跡」を残したとのこと。同僚が緊急停止ボタンを押したため、エンジニアは解放されました。この報告書では、テキサス工場は業界平均と比較して従業員の負傷率が高いことが伝えられていました。
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