むずむず脚症候群の治療を受けているとパーキンソン病のリスクが低下する可能性

むずむず脚症候群は、じっとしている時に脚を中心としてむずむずするような不快感が生じる疾患で、患者は常に脚を動かしたりさすったりする必要に駆られます。新たな研究では、むずむず脚症候群を発症して特定の治療を受けている人は、手の震えや歩行の困難を示すパーキンソン病の発症リスクが低下する可能性があると示されました。
Risk of Parkinson Disease Among Patients With Restless Leg Syndrome | Neurology | JAMA Network Open | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2839651

Restless Legs Treatment Slashes Increased Risk of Parkinson's Disease : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/restless-legs-treatment-slashes-increased-risk-of-parkinsons-disease
むずむず脚症候群とパーキンソン病は、いずれも体の運動の制御に支障を来すことが特徴の疾患であり、神経伝達物質であるドーパミンを模倣するドーパミン作動薬を投与し、ドーパミン経路を活性化することで治療されます。
むずむず脚症候群とパーキンソン病に似た特徴があることから、以前から研究者らは、両者の間に関連性があるのではないかと疑ってきました。一部の研究者らは、むずむず脚症候群がパーキンソン病の初期の臨床症状であり、ドーパミン経路が弱まったことを示唆しているのではないかと推測しています。しかし、これまでの研究は限定的であったり、両者の関連性が不明確であったりして、詳しいことはよくわかっていませんでした。
今回、韓国の研究チームは、むずむず脚症候群の患者9919人の健康記録を分析し、年齢・性別・その他の要素が一致するもののむずむず脚症候群ではない対照群の被験者9919人と比較。さらにこれら2つのグループを最大15年間にわたって追跡調査しました。

分析の結果、むずむず脚症候群の患者がパーキンソン病を発症する可能性は1.6%で、対照群の1%と比較して有意に高いことが示されました。一方、スタート時点からパーキンソン病と診断されるまでの期間はむずむず脚症候群の患者で14.88年、対照群で14.93年であり、統計的にはそれほど大きな差ではありませんでした。
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