「幻覚剤入りのビール」がインカ帝国以前のペルーにおける支配体制にとって重要だった可能性

有力者同士が集まってお酒を飲む宴会は、古くから部族や国家同士の交流促進や紛争の調停などに役立っており、現代でも同じ会社や部署、取引先の人間と一緒にお酒を酌み交わして仲を深める習慣が続いています。新たに発表された論文で、インカ帝国以前のペルーでは「幻覚剤入りのビール」が支配において重要な役割を果たしていた可能性があると報告されました。
Afterglow: Vilca Beer, Pro-Social Feelings, and Wari Geopolitics in the Ancient Andes | Revista de Arqueología Americana
https://www.revistasipgh.org/index.php/rearam/article/view/6051

Psychedelic beer may have helped pre-Inca empire in Peru schmooze elite outsiders and consolidate power | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/psychedelic-beer-may-have-helped-pre-inca-empire-in-peru-schmooze-elite-outsiders-and-consolidate-power
今回の研究は西暦600~1000年頃にアンデス山脈の中央で繁栄した「ワリ」という文明に焦点を当てたものです。ワリは、ミイラを用いた埋葬や人身御供、金・銀・青銅で作られた精巧な工芸品などの文化で知られています。また、ワリは寺院や上流階級の住まいを備えた都市を建設し、ペルーの大部分に加えてチリやアルゼンチンの一部も支配していたとのこと。
2025年10月6日に、アメリカ大陸の考古学研究を専門とする学術誌のRevista de Arqueología Americanaに掲載された論文では、ワリの支配者層が版図を拡大するために「幻覚剤入りのビール」を利用していた可能性があるという説が提唱されています。
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in 無料メンバー, サイエンス, 食, Posted by log1h_ik
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