Appleのクラウドストレージに対するバックドア作成をイギリス内務省が再び命じていたことが判明

イギリス内務省がAppleに対して、暗号化されたクラウドストレージに対してアクセスできるバックドアを作るように命じたことがわかりました。この命令は2025年に入って2度目のもので、2025年初頭に出された1度目の命令はアメリカ政府などからも強い反発があり撤回しています。
UK makes new attempt to access Apple cloud data
https://www.ft.com/content/d101fd62-14f9-4f51-beff-ea41e8794265

UK government resumes row with Apple by demanding access to British users’ data | Data protection | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2025/oct/01/uk-government-apple-data-british-telecoms
UK government tries again to access encrypted Apple customer data: Report | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/10/01/uk-government-tries-again-to-access-encrypted-apple-customer-data-report/
AppleのiCloudには、エンドツーエンドで暗号化を行う「高度なデータ保護」機能があり、保存された情報はAppleでも内容を確認することは不可能になります。2025年1月、イギリス政府はこの暗号化されたユーザーデータにアクセスできるバックドアを設けるよう命じる「技術的能力通知」をAppleに送付しました。
イギリス政府がAppleに「全ユーザーのデータを取得できるバックドア」を設けるように求めていたことが報じられる - GIGAZINE

これに対して、Appleは「これまでバックドアを設けたことはないし、今後も設ける予定はない」と拒否した上で、イギリスでの「高度なデータ保護」機能の提供を打ち切り。
Appleが「高度なデータ保護」機能をイギリスで提供終了へ - GIGAZINE

最終的に、イギリス政府は命令を撤回しました。
Appleに対するバックドア設置命令をイギリス政府が撤回したとアメリカ国家情報長官が報告 - GIGAZINE

再度の試みで変わった点は、2度目の「技術的能力通知」は「イギリス国民のユーザーデータにアクセスできるバックドア」を求めた点です。
Appleの広報担当者は、2度目の通知については明確に言及しなかったものの、「イギリスで『高度なデータ保護』が提供できないことは非常に残念です。Appleはユーザーに対して個人として最高レベルのセキュリティを提供できるよう取り組んでおり、将来的にはイギリスでも同等のサービスを提供できることを期待しています。繰り返しになりますが、Appleは自社製品や自社サービスでバックドアやマスターキーを作ったことはなく、今後も作るつもりはありません」と、以前と変わらない姿勢を示しました。
また、イギリス内務省の広報担当者はこの件についての問い合わせに「運営上のことについてはコメントしない」と返答しています。
なお、この件についてフィナンシャルタイムズは「アメリカ政府はこの件について命令撤回を求めていないと、イギリス政府高官が語っている」と関係者の証言を伝えています。
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in メモ, ネットサービス, Posted by logc_nt
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