ついにChatGPTに子どものAI利用を保護者が管理するためのペアレンタルコントロール機能が追加される

OpenAIがChatGPT向けに、ついにペアレンタルコントロール機能を導入しました。これは「ChatGPTが10代の青年の自殺を助長した」として訴えられた件を受けて追加される新機能です。
Introducing parental controls | OpenAI
https://openai.com/index/introducing-parental-controls/
Introducing parental controls in ChatGPT.
— OpenAI (@OpenAI) September 29, 2025
Now parents and teens can link accounts to automatically get stronger safeguards for teens. Parents also gain tools to adjust features & set limits that work for their family.
Rolling out to all ChatGPT users today on web, mobile soon. pic.twitter.com/kcAB8fGAWG
2025年8月、「ChatGPTが子どもの自殺を助長した」として遺族がOpenAIを提訴しました。この問題を受け、OpenAIは「危機的状況にある人々への支援拡大」「緊急サービスへの連絡や専門家の助けを容易に得られるように」「信頼できる連絡先への接続を有効に」「10代の若者の保護を強化」という4つの重点分野を発表し、2025年末までに対応施策を導入するため、集中的な努力を行っていることを明らかにしました。
「ChatGPTが10代の青年の自殺を助長した」としてOpenAIが訴えられる、ChatGPTの安全策は長い会話では機能しないとOpenAIが認める - GIGAZINE

ティーンエイジャーや精神的に苦しみを抱えた人がChatGPTを安心して利用できるようするべく、OpenAIは2025年10月に先行してペアレンタルコントロール機能を搭載する方針を発表。現地時間の2025年9月29日、OpenAIはこのペアレンタルコントロール機能がついに追加されたと発表しました。
ペアレンタルコントロール機能は、保護者が自分のアカウントと子どものアカウントをリンクさせ、年齢に応じた安全な体験を提供できるように設定をカスタマイズできる機能です。ペアレンタルコントロール機能を設定するには、保護者が子どものアカウントに招待を送信します。子どもが招待を承諾すると、保護者は自身のアカウントから子ども設定を管理できるようになります。

アカウントをリンクすると、保護者はアカウント設定のシンプルな管理ページで、子どものChatGPTでの体験をカスタマイズできるようになります。子どもがアカウントのリンクを解除した場合、保護者には通知が送信されます。

ペアレンタルコントロール機能の一環として、リンクされたアカウント向けの保護対策も強化されています。保護者と子どもがアカウントをリンクすると、子どものアカウントには過激なコンテンツの抑制、バイラルチャレンジ、性的・恋愛的・暴力的なロールプレイ、極端な美の理想など、年齢に応じたコンテンツフィルター機能が自動で適用されるそうです。保護者はこれらのコンテンツフィルター機能を無効化することができますが、子ども側から無効化することはできません。
OpenAIはこれらの保護機能について、「これらの保護機能は役立ちますが、万全ではありません。誰かが意図的に回避しようとすれば、保護機能は迂回されてしまう可能性があります。私たちは今後も、時間をかけて慎重に検討を重ね、改善を続けていきます。保護者の皆様には、健全なAIの利用について、そしてそれが家族にとってどのようなものであるかについて、10代のお子様と話し合うことをお勧めします」と記しています。
ペアレンタルコントロール機能で管理できる操作は以下の通り。
・ChatGPTを使用できない時間を設定可能。
・音声モードをオフにすることで、ChatGPTで音声モードを使用するオプションが削除されます。
・メモリをオフにすると、ChatGPTは応答時にメモリを保存せず、使用することもなくなります。
・画像生成を削除すると、ChatGPTは画像を作成または編集できなくなります。
・モデルのトレーニングをオプトアウトすると、子どもの会話がChatGPTを動かすモデルの改善に使用されなくなります。

さらに、ペアレンタルコントロール機能には深刻な問題があるかもしれない場合に、保護者に通知する機能もあります。子どもが自傷行為を行っている可能性をシステムが検知した場合、専門の訓練を受けた少人数のチームが状況を精査し、深刻な苦痛の兆候が見られる場合、保護者にメール・テキストメッセージ・スマートフォンのプッシュ通知などで事態について通知します。
また、差し迫った命の危機を検知したものの保護者に連絡が取れない場合などには、法執行機関やその他の緊急サービスに連絡するため、適切な手順を踏めるよう取り組みを進めているそうです。なお、このような状況でもOpenAIは10代の若者のプライバシーを真剣に受け止め、10代の若者の安全を守るために親や緊急対応者に必要な情報のみを共有するよう設計されています。
OpenAIと子ども向けの安全機能の開発で協力しているCommon Sense MediaのAIプログラム担当シニアディレクターであるロビー・トーニー氏は、「ペアレンタルコントロール機能は、保護者が10代のお子様のChatGPT利用を管理する上で良い出発点となります。しかし、ペアレンタルコントロール機能は、10代のお子様をオンラインで安全に保つためのパズルのピースのひとつに過ぎません。責任あるAIの利用に関する継続的な話し合い、テクノロジーに関する明確な家族のルール、そしてお子様のオンラインでの行動を積極的に把握するための関与と組み合わせることで、最も効果を発揮します」と言及しています。
これに加えて、OpenAIはペアレンタルコントロール機能と一緒に、ChatGPTを家庭でどのように活用するかを家族が指導できるよう支援するための保護者向けリソースページも公開しました。このリソースページには以下からアクセス可能です。
Parental controls to shape ChatGPT for your family
https://chatgpt.com/parent-resources
なお、OpenAIは他にもChatGPTに18歳未満のユーザーを自動で検知する機能を搭載することなどを発表しています。
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