いつものジョギングに短距離走を組み合わせることで健康効果を高められる

ランニングには、病気の予防やメンタルヘルスの改善、さらには生物学的な老化を遅らせる効果まで、非常に多くのメリットがあります。しかし、2024年に発表された論文によれば、私たちの約31%は、ランニングを含め、定期的に十分な身体活動を行えていません。その理由として「運動をする時間がない」ことがよく挙げられますが、その解決策としてランカスター大学統合生理学上級講師であるクリストファー・ガフニー氏は「インターバル走」を提案しています。
How adding sprints to your usual jogs can boost the health benefits of running
https://theconversation.com/how-adding-sprints-to-your-usual-jogs-can-boost-the-health-benefits-of-running-263745
インターバル走は、速いスピードでのダッシュ走とゆっくりと走るジョギングを交互に繰り返す運動のことで、高強度インターバルトレーニング(HIIT)の一環として行われています。HIITは100年以上前から行われていますが、1990年代から2000年代にかけて、「20秒の激しい運動と10秒の休息」を繰り返すタバタ式トレーニングや、ウェイトリフティング、体操、有酸素運動を組み合わせた高強度ワークアウトであるクロスフィットなどのおかげで人気が高まったとのこと。ガフニー氏は、HIITの重要な側面は「高強度の運動と、休息または低強度の運動の期間を交互に行うこと」だと述べています。
例えば「10-20-30メソッド」では、ランナーはまず30秒間のジョギングまたはウォーキングから始め、次に20秒間の中程度のペースでのランニング、そして最後に10秒間のスプリントで締めくくります。あるいは、スウェーデン語で「スピードプレイ」を意味する「ファルトレク」メソッドも、インターバルランニングを始める簡単な方法です。これは、一定のペースを保つだけでなく、ジョギング中に数回のスプリントを織り交ぜるというものです。

インターバル走のようなHIITワークアウトは、心血管系、代謝、そして体組成に数多くのメリットをもたらします。例えば、2024年に発表された研究では、過体重および肥満の人々において、スプリントが通常の一定ペースのランニングを行った人々と比較して、心血管フィットネスの特定の側面でさらに大きな改善をもたらしたことが示されています。
この研究で、短距離走を行った参加者は、激しい運動を維持するために体が利用できる最大摂取酸素量がより大きく向上しました。また、すでに定期的にランニングをしている人においても、12週間の試行で、週一回の持久走にHIITワークアウトを追加したところ、長時間の連続走行を行った場合よりも最大摂取酸素量が大幅に改善しました。摂取酸素量のピークは心血管フィットネスの指標であり、心血管能力を示します。摂取酸素量のピークが高いことはパフォーマンス向上に役立つだけでなく、あらゆる原因による死亡リスクを減少させます。

ガフニー氏によれば、インターバル形式のウォーキングやランニングは、連続したウォーキングよりも代謝、特に血糖値の調節に対してより強力な効果があり、2型糖尿病のリスクを低減するのに役立つことも示されているとのこと。10-20-30メソッドのようなトレーニングは、連続的な運動よりも私たちの細胞のエネルギー産生に大きな影響を与えます。これは、スタミナの向上と、糖尿病および心血管疾患のリスク低下につながるとガフニー氏は主張しました。
また、10-20-30メソッドには、連続的なランニングよりも「悪玉コレステロール」と血圧を低下させるという利点もあり 、心血管疾患のリスクを減少させるそうです。ガフニー氏は、週に3回、わずか18分間のスプリントインターバルランでも健康上の利点につながる可能性があるとしています。
インターバル走の実例として、ある電柱から次の電柱までは短距離走を行い、その次の電柱まではウォーキングかジョギングで回復し、再び次の電柱からその次の電柱まで短距離走をするという方法があります。この時、高強度部分にあたる短距離走では、心拍数を最大心拍数の90%近くまで上げることが目安の1つ。そして、短距離走の合間は十分に回復することを念頭に置きます。ただし、突然高負荷な運動を行うのではなく、時間をかけて徐々に活動レベルを上げていくことが重要だとガフニー氏は述べました。

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in サイエンス, Posted by log1i_yk
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