サイエンス

砂漠に生息するトカゲがくしゃみと共に「塩」を排出する理由とは?


チャクワラはアメリカ南西部やメキシコ北部の乾燥地帯に生息するトカゲであり、ずんぐりと平べったい体格をしています。そんなチャクワラはくしゃみと共に「塩」を排出する習性があるとのことで、ボストン科学博物館でチャクワラの世話をしている飼育員がその理由について語っています。

砂漠のトカゲがくしゃみをする理由 - YouTube


These Desert Lizards Have to Sneeze Salt to Stay Alive : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/these-desert-lizards-have-to-sneeze-salt-to-stay-alive

飼育員の男性が「私の仕事の一部は、トカゲの鼻水を掃除することです」と語っています。


男性が世話しているのは「ロッキー」と呼ばれているチャクワラ。


ガラスケースの裏側には大量の白い汚れが付着しています。これは、チャクワラがくしゃみと共に出す鼻水が乾燥したものです。


チャクワラがくしゃみをするのは病気だからではなく、鼻水もただの鼻水ではありません。


チャクワラの鼻水には塩化カリウムと塩化ナトリウムが含まれており、くしゃみをする時に鼻水と共に体内の余分な塩分を排出しているとのこと。ガラスケースに白い汚れが付着するのも、鼻水に塩分が多量に含まれているためです。


チャクワラはアメリカ大陸の砂漠地帯に生息しています。


砂漠の過酷な環境に適応するため、チャクワラは水分のほとんどを砂漠に生えている植物から得ています。しかし、チャクワラのエサとなる植物には多量の塩分が含まれており、体に過剰な塩分が蓄積して脱水症状を起こしてしまうとのこと。


そのためチャクワラの体では、血流から余分な塩分を集める腺が発達しています。この腺が十分な量の塩を集めると、それがくしゃみと共に排せつされるというわけです。


塩分が多量に含まれたチャクワラの鼻水は、飼育者から「salt(塩)」と「snot(鼻水)」をかけ合わせた「snalt」という愛称で呼ばれています。


なお、海藻を食べるウミイグアナや海水を飲むマングローブオオトカゲなども、同様に塩を含んだ水を噴射する習性があるとのことです。

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in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by log1h_ik

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