イランのソフトウェアエンジニアがあちこちで規制される実体験を記した「DELETE FROM users WHERE location = ‘IRAN’;」

イラン人のソフトウェアエンジニアであるアヴェストゥーラ氏が、イランに生まれたが故につきまとう制裁と検閲の体験談を公開しています。
delete-from-users-where-location-iran.md · GitHub
https://gist.github.com/avestura/ce2aa6e55dad783b1aba946161d5fef4
1つ目のエピソードが、Microsoftから受けた制裁です。
学生時代、アヴェストゥーラ氏はオープンソースプロジェクトの1つであるEyesGuardを開発し、Microsoft Storeに公開しました。しかしある日、EyesGuardがMicrosoft Storeから消されてしまったそうです。
アヴェストゥーラ氏が気づいたときには、ソフトウェアページや開発者アカウント、アヴェストゥーラ氏に寄せられた支援コメントや提案コメントまで全て消えていたとのこと。アヴェストゥーラ氏はサポートに連絡し、可能な限りの人にメールを送りましたが、完全に無視されてしまったといいます。

2つ目のエピソードはNotionです。アヴェストゥーラ氏がノート管理用に使用していたNotionは、ある日突然、イラン在住のユーザーに関連する全データを消去すると決定したとのこと。サポート担当者によると、この決定はキューバ、イラン、北朝鮮、シリアにおける経済制裁に関するガイドラインに基づいたもので、これらの国に住むユーザーは永久にアカウントを停止されるとのことでした。
3つ目は個人ブログです。アヴェストゥーラ氏は普段VPNを使用しているそうですが、ある日VPNをオフにしてとある個人ブログにアクセスしてみると、「イランのIPアドレスはブロックされています。ロシアにドローンを供給し、民間人を無差別に虐殺させるというあなたの決断によるものです」というメッセージが表示され、全く閲覧できなくなってしまったとのこと。
4つ目はGitLabです。GitLabは過去にイランのIPアドレスからアクセスした全アカウントを凍結しており、公開リポジトリすら解除されていないとのこと。なお、GitLabは2018年にホスティングサービスをAzureからGoogle Cloud Platform(GCP)へ移行し、クリミア、キューバ、イラン、北朝鮮、スーダン、シリアのユーザーはアメリカの経済制裁に基づきGitLabにアクセスできなくなることを告知していました。

このほかにも、AWS、GCP、Azure、Coursera、Udemy、Stripe、PayPalなど、さまざまなサービスにアクセスできないそうです。
なお、GitHubは一時的にイランからのアクセスを遮断しましたが、後にアメリカ政府からライセンスを取得してイラン人の利用を許可しています。GitHubによると、アメリカが制裁対象国との取引を一切禁じているためにアクセス制限を実施したものの、「すべての開発者は居住地を問わずGitHubを自由に利用できるべき」との考えから制限を緩和する方法を模索してきたとのことです。
アメリカは財務省外国資産管理室による制裁プログラムが敷かれていて、違反すると罰金の支払いが命じられることもあります。GitHubのように制裁を免除するライセンスを取得することもできますが、法的要件が厳しくメリットがほとんど無いためリスクが高いとのことです。
アヴェストゥーラ氏は「イランがイラン・イスラム共和国という名前だからといって、共和制に基づいた国民の統治による政府だと考えるのは根本的な誤解があると思います。(イランがロシアを支援する中、)実生活で、ロシアの侵略を実際に支持する人を見たことはありません。ロシア支援の決定はイラン国民を代表するものではないことを明確にしたいと思います。民主的な正当性なくイランを支配する神権政治的少数派である体制があり、イラン国民はこの体制に対し長年抗議と反乱を続けてきましたが、残念ながら非武装の状態で残忍な弾圧に直面しています。私の経験では、私を含む周囲のイラン人の大半は、ウクライナを支持しロシアの侵略に反対する立場を固持しています」と指摘。
さらに、「イランをブロックする企業が特定の集団に対して悪意を持っているとは思いません。結局のところビジネスですから。顧客を憎んでいるわけではなく、ただゲームのルールに従っているだけです。しかし、もしある日、法律や政府によって特定の集団へのサービス提供を阻止せざるを得なくなった場合、私はif文を書く前に二度考え直すでしょう。そして、もっと共感を持とうとします。画面の向こうにいる人々こそが、私のテーブルの数行よりも重要なのです。私はイラン・イスラム共和国を対象とした制裁の解除を求めているわけではありません。明記しますが、私はイランの行動を支持せず、むしろ数千年の歴史を持つ国を支配するマフィア的なカルトから人々を解放しようとする運動を支持します。イランを支配する集団の行動は擁護の余地がなく、実際、イラン国民こそが第一の犠牲者です。特に、私にとって身近な人物が、抗議活動に参加すれば殺すと脅され、政権の手先から銃を喉に突きつけられた経験があるため、この問題への思いは格別です」と付け加えました。
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in メモ, Posted by log1p_kr
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