FacebookとInstagramで「人工妊娠中絶」の広告削除やアカウント凍結の事例が複数発生、コネがないと復活可能性は大幅低下

Metaの運営するFacebookとInstagramは、以前から「人工妊娠中絶」を扱う投稿に対して厳しい姿勢をとっていることが知られています。電子フロンティア財団の調べにより、Metaに対して何らかのコネがない場合、凍結されたアカウントを復活できる可能性は大幅に低下することがわかりました。
When Knowing Someone at Meta Is the Only Way to Break Out of “Content Jail” | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/pages/when-knowing-someone-meta-only-way-break-out-content-jail
アメリカでは、1973年に下された「ロー対ウェイド」訴訟の判決により「人工妊娠中絶に対する規制は憲法違反」という判断が長らく示されていました。
しかし2022年、最高裁判所がこの「ロー判決」を覆したため、半数の州で人工妊娠中絶の規制検討が始まりました。Metaも、FacebookとInstagramで、人工妊娠中絶に対する取り締まりをスタート。経口中絶薬の代理購入など、「人工妊娠中絶への協力」を表明する投稿の削除が行われています。
FacebookとInstagramで「人工妊娠中絶への協力を示す投稿」が削除されている - GIGAZINE

ミネソタ州ムーアヘッドにある、人工妊娠中絶を行っているクリニック「レッドリバーウィメンズクリニック」は、クリニックに関する正しい情報が広まっていないことに気づき、Facebookに「外科的手法だけでなく投薬におる人工妊娠中絶も行っている」ということを示す広告投稿を行いました。この際、経口中絶薬・ミフェプリストンの箱の画像を添付していたとのこと。
ところが、広告にフラグが立てられ、アカウントは停止となりました。クリニックからの申し立てを受けて、一度はフラグが外されてアカウントは復活しましたが、すぐに再停止となり、今度は申し立てに対する反応もなくなってしまったそうです。
このため、クリニックがデジタル著作権団体に連絡を取ったところ、Metaのスタッフが介入。「ポリシーには違反していないものの、今後の違反はアカウントの永久削除につながる」と警告してきたとのこと。
また、ジョージア州にあるエモリー大学のリプロダクティブヘルス研究センター(RISE)は、「性と生殖」に関する誤情報に対抗するため、2025年1月にInstagramアカウントを立ち上げ、「ミフェプリストンの重要性について話し合いましょう」という投稿を行いました。すると、2カ月後にアカウントは突然停止されてしまったそうです。

RISEもアカウント復活のために問い合わせを重ねましたが要領を得ず、結局、アカウントが復活したのはMetaと直接連絡を取れた後でした。アカウント復活後、どの投稿にフラグが立っているかを確認できたことで、初めてミフェプリストンに関する投稿がMetaに問題視されたことがわかったとのこと。
電子フロンティア財団は、Metaの担当者が「ポリシー違反ではない場合に、誤って投稿が削除されることがある」と言及しつつ、一方で「言論の自由を大切にしている」とも主張していることに注目。調査の中で「通常の問い合わせフォームではなく、何らかの形でMeta内部と連絡が取れた事例で、停止されたアカウントの復活が確認されている」ことから、ポリシー運用に疑いの目を向けています。
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in メモ, Posted by logc_nt
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