ASUSゲーミングノートPCのACPIファームウェアバグが原因でYouTubeのカクつき・Discordの音割れ・マウスのフリーズなど多数の問題発生

GitHubユーザーのZephkek氏が、ASUSの「ROG」ブランドで展開されるゲーミングノートPCのBIOSアップデートで、多数の問題が発生するようになったと報告しました。コミュニティには同様の報告が相次いでいます。
GitHub - Zephkek/Asus-ROG-Aml-Deep-Dive: A deep dive into the ACPI.sys DPC latency problems on Asus ROG laptops
https://github.com/Zephkek/Asus-ROG-Aml-Deep-Dive

ASUS Gaming Laptops from 2021-2024 Have Buggy BIOS Causing Stuttering: Report | TechPowerUp
https://www.techpowerup.com/341073/asus-gaming-laptops-from-2021-2024-have-buggy-bios-causing-stuttering-report
Zephkek氏の調査によると、ASUS ROGゲーミングノートPCはバグだらけのBIOSファームウェアに悩まされており、YouTube視聴時にカクつき、Discord通話時にポップノイズが生じ、マウスの瞬間的なフリーズなどの現象が発生するとのこと。
調査によれば、この問題はプリインストールされたソフトウェアや、古いドライバー、OS自体に起因するものではなく、ASUSのBIOS設計の深層に潜んでいるそうです。
原因究明のため、Zephkek氏はCPU割り込み遅延を測定するLatencyMonツールを使用しました。CPU割り込み遅延は、CPUが現在の実行パイプラインを中断し、より優先度の高いタスクへ移行するタイミングを示す重要な指標です。
その結果、Zephyrus M16などのASUS製ノートPCでは、アプリケーションが最初にアクセスするCPUの第一コアが割り込み処理に90秒以上を費やしていることが判明。この間、当該CPUコアは他の作業を一切実行できず、当該コアで実行されている他の処理に動作の途切れが生じるとのこと。

この問題の背景には、電源規格「ACPI」を実装するドライバ「ACPI.sys」の問題がありました。ACPI.sysはファームウェアとOS間のブリッジとして機能し、スリープ、バッテリー、温度管理などを支援します。このACPI.sysは、ACPIマシン言語(AML)で処理されるのですが、調査によって非効率的または欠陥のあるAMLコードを実行させていることが分かったそうです。
ASUSのROGノートPCは、RTX 30/40シリーズなどのdGPUと、Intel CPUに組み込まれたiGPUで駆動されることが多く、バッテリー駆動時とAC電源接続時など異なる電力要件に対応するためにiGPUとdGPUを切り替えるマルチプレクサ(MUX)スイッチが搭載されています。しかし、ASUSのファームウェアは論理的に説明のつかない奇妙な電源サイクルを実行し、dGPUをアクティブにしなければならない時でさえ、dGPUの電源を絶えずオン/オフしているとのことです。

ASUSのほか、2019年に発売されたMSI製ゲーミングノートPC「GS65 Stealth」でも発生しているとの報告もあります。
Zephkek氏は「ASUSは本調査および公開時点でのファームウェア問題に対して回答していません、状況が変われば更新します」と述べました。
・関連記事
WindowsのアップデートによりLinuxとのデュアルブートが不可能になったとの報告 - GIGAZINE
Intelの第13・14世代CPUの劣化はパッチを当てても「回復不能」との報道、1回クラッシュしたらおしまいの可能性 - GIGAZINE
PC起動時のUEFIで表示されるロゴ画像を置き換えて任意のコード実行を可能にするエクスプロイト「LogoFAIL」が発見される、WindowsとLinuxが対象でどんなセキュリティもスルーしてしまう - GIGAZINE
AMDの第3世代Ryzen CPUで「システムが起動しなくなるバグ」の修正が遅々として進んでいないという報告 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in ソフトウェア, Posted by log1p_kr
You can read the machine translated English article ACPI firmware bug in ASUS gaming laptops….