サイエンス

世界最古のミイラはエジプトではなく1万年以上前の東南アジアや中国で死者を「薫製」にして作られていた


ミイラ」といえば、古代エジプトで作られていたものを連想する人が多いかもしれません。ところが、新たな研究ではそれよりも古い1万年以上前に、東南アジアや中国でミイラが作られていたことが明らかとなりました。

Earliest evidence of smoke-dried mummification: More than 10,000 years ago in southern China and Southeast Asia | PNAS
https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.2515103122


Oldest Human Mummies Discovered, And They're Not What We Expected : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/oldest-human-mummies-discovered-and-theyre-not-what-we-expected

People in Southeast Asia and China were mummifying their dead thousands of years before the Egyptians did, smoke-dried human remains reveal | Live Science
https://www.livescience.com/archaeology/worlds-oldest-mummies-were-smoke-dried-10-000-years-ago-in-china-and-southeast-asia-researchers-find

考古学者らは以前から、東南アジアや中国南部を含む広い地域にまたがる新石器時代に埋葬された遺骨に、「被葬者がうずくまったり胎児のような姿勢になっている」「しっかりと縛られている」「骨の一部が焼けている」といった共通点があることを知っていました。しかし、これらの文化が死者を埋葬するためにどのような処理を行い、独特の埋葬姿勢を実現したのかはよくわかっていませんでした。

以下の写真は、中国南部で見つかった完新世前期から中期の遺骨です。いずれも膝を抱えてうずくまったような姿勢になっていることがわかります。


オーストラリア国立大学の考古学者であるHsiao-chun Hung氏が率いる研究チームは、ニューギニア島の高地に住む一部の民族が現代でも行っている「死者を薫製・乾燥させる」という処理方法が、過去には広い文化で行われていたのではないかという仮説を立てました。

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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