世界初の「AI大臣」が登場、汚職対策のため

バルカン半島南西部に位置する共和制国家のアルバニアで、AIによって生成されたボット「ディエラ」が大臣に就任しました。ディエラは政府が民間企業と契約する公共入札を管理する役割を務め、賄賂や脅迫を一切受け付けない大臣となることが期待されています。
Albania appoints AI bot as minister to tackle corruption | Reuters
https://www.reuters.com/technology/albania-appoints-ai-bot-minister-tackle-corruption-2025-09-11/

Albania appoints world’s first AI-made minister – POLITICO
https://www.politico.eu/article/albania-apppoints-worlds-first-virtual-minister-edi-rama-diella/
Albania names AI bot ‘Diella’ as procurement minister in anti-corruption push - https://eutoday.net
https://eutoday.net/albania-names-ai-bot-diella-as-procurement-minister/
アルバニアでは、公共入札に関連する汚職スキャンダルが繰り返し発生しています。例えば、レフテル・コカ元環境大臣は、2022年3月に公共資金の不正流用などを含む「エルバサン焼却炉事件」と呼ばれる汚職に関与したとして起訴され、2025年に懲役6年8カ月の判決を受けました。また、2025年7月には不動産取引に関連した汚職の容疑で起訴されたサリ・ベリシャ元首相の汚職疑惑の裁判が開始されています。

専門家によると、アルバニアは世界中で麻薬や武器を密売して資金洗浄しようとする犯罪組織の拠点となっており、汚職が権力の中枢にまで及んでいるそうです。4期目の任期開始を控えているエディ・ラマ首相は2030年までに欧州連合の加盟を目指していますが、根強い汚職のイメージはアルバニアの立場を難しくさせています。
そこでラマ首相は2025年9月11日に行われた社会党の集会で、公共入札を管理し授与する新大臣にAIによって生成されたボット「ディエラ」を任命すると発表しました。
ディエラはアルバニア語で「太陽」を意味する名前で、2025年初め頃にアルバニアの電子プラットフォームである「e-albania」上でAIアシスタントとして導入されました。アルバニアの伝統衣装をまとった女性アバターが公開されています。

ラマ首相によると、今後入札に関する決定は省庁では行われず、責任者であるディエラ大臣の手に委ねられるとのこと。ラマ首相は「アルバニアは、公共入札に関して100%不正がなく、入札手続きを経るすべての公的資金が100%透明化した国となるでしょう。これはサイエンス・フィクションではなく、ディエラの義務です」と新大臣への期待を語りました。
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