サイエンス

胃と脳の「隠れた電気信号の同期」がメンタルヘルスに影響しているとの研究結果


人間の腸には1億個以上の神経細胞があり、その機能や脳に及ぼす影響から「第二の脳」とも呼ばれていますが、腸とつながっている「胃」と脳の関連についてはあまり研究されてきませんでした。新たな研究では、胃と脳の電気信号が同期している人ほど、メンタルヘルスの問題が多いことが示されました。

Stomach–brain coupling indexes a dimensional signature of mental health | Nature Mental Health
https://www.nature.com/articles/s44220-025-00468-6


The 'stomach’s brain’ is more in sync with the mind during mental distress
https://health.au.dk/en/display/artikel/the-stomachs-brain-is-more-in-sync-with-the-mind-during-mental-distress

Hidden Rhythms Between Your Stomach And Brain Could Shape Your Mood : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/hidden-rhythms-between-your-stomach-and-brain-could-shape-your-mood

胃は迷走神経を介して脳と直接つながっていますが、メンタルヘルスと消化管に関する研究の多くは小腸や大腸などの下部消化管に焦点を当てており、食道や胃を含む上部消化管に焦点を当てたものはほとんどないとのこと。

論文の筆頭著者であり、デンマーク・オーフス大学の神経科学者であるリア・バネリス氏は、「胃はほとんど無視されてきました。ほとんどの研究は腸内細菌と下部消化管系に焦点を当てています」と述べています。


今回、オーフス大学とドイツ人間栄養研究所などの研究チームは199人の被験者から、fMRIで撮影した209の脳領域にわたる完全な脳スキャンデータと、Electrogastrography(経皮的胃電図)で測定した胃の電気信号のスキャンデータ、そしてメンタルヘルスに関するアンケートを収集しました。

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in 無料メンバー,   サイエンス, Posted by log1h_ik

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