NVIDIAの2025年第2四半期売上高約6兆8800億円の約40%はたった2社の顧客から得られた

NVIDIAが2025年度第2四半期(2025年4月28日~7月27日)の決算で、前年同期比56%増の467億4300万ドル(約6兆8800億円)の売上高を計上しました。記録的な増収はAIデータセンターの急成長が主な牽引役となったとのことですが、その後の発表で、この売上高の大部分がわずか数社の顧客によるものだと明らかにされました。
Inline Viewer: NVIDIA CORP 10-Q 2025-07-27
https://www.sec.gov/ix?doc=/Archives/edgar/data/0001045810/000104581025000209/nvda-20250727.htm
Nvidia's top two mystery customers made up 39% of its Q2 revenue
https://www.cnbc.com/2025/08/28/nvidias-top-two-mystery-customers-made-up-39percent-of-its-q2-revenue-.html
Nvidia says two mystery customers accounted for 39% of Q2 revenue | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/08/30/nvidia-says-two-mystery-customers-accounted-for-39-of-q2-revenue/
More than 50% of Nvidia’s data center revenue comes from three customers — $21.9 billion in sales recorded from the unnamed companies | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/more-than-50-percent-of-nvidias-data-center-revenue-comes-from-three-customers-usd21-9-billion-in-sales-recorded-from-the-unnamed-companies
NVIDIAの2025年度第2四半期の売上高は前年同期比56%増の467億4300万ドル(約6兆8700億円)でした。営業利益は前年同期比53%増の284億4000万ドル(約4兆1800億円)、純利益は前年同期比59%増の264億2200万ドル(約3兆8800億円)を記録しました。このうち、Compute&Networking部門の売上高は413億3100万ドル(約6兆760億円)で、営業利益は283億6300万ドル(約4兆1700億円)でした。Graphics部門の売上高は、54億1200万ドル(約7960億円)で、営業利益は22億4200万ドル(約3300億円)となっています。
NVIDIAが2025年度第2四半期の決算を発表、売上高は前年比122%増の4兆3000億円超でデータセンター部門は過去最高を更新 - GIGAZINE

2025年度第2四半期および上半期の収益成長はCompute&Networking部門、とりわけAI向けデータセンター関連がけん引しています。NVIDIAによれば、データセンター事業の売上高は2025年第2四半期におけるNVIDIA全体の売上高の88%を占めていたとのこと。特に大規模言語モデル(LLM)やAIアプリケーションに使用される高速コンピューティングプラットフォームへの強い需要が力強い成長の原動力となったと述べています。

一方で、当局に提出された決算報告書から、NVIDIAの収益が特定の顧客に大きく依存している実態が明らかになりました。2025年度第2四半期の総売上高のうち、匿名の「顧客A」が23%、「顧客B」が16%を占めており、この2社だけで全体の39%を占めていました。これらの売上はAIインフラを支えるCompute&Networking部門に集中しています。2025年度上半期(6カ月)で見ても、顧客Aによる収益は総売上高の20%、顧客Bによる収益は15%を占めていたそうです。
前年同期である2024年第2四半期では、顧客A・顧客Bを含む4社の収益が総売上高を占める割合はそれぞれ14%、11%、11%、10%でした。このことから、2025年になってNVIDIAの売上は顧客A・顧客Bにますます依存するようになっていることがうかがえます。
報告書では、これらの大口顧客はOEMやシステムインテグレーターなどの「直接顧客」と定義されています。一方で、大手クラウドサービスプロバイダーなどの最終的な利用者は「間接顧客」とされ、直接顧客を通じて製品を購入します。NVIDIAは、「顧客A」と「顧客B」を通して購入している間接顧客のうち2社がそれぞれNVIDIAの総売上の10%以上を占めていると推定しており、特定の巨大IT企業によるAIインフラへの大規模投資が収益をけん引している構図が明確になっています。

これらの大口顧客の具体的な社名は公表されていませんが、IT系ニュースサイトのTechCrunchやTom's Hardwareは、Microsoft、Google、Amazonなどの大手クラウドサービスプロバイダーやxAI、OpenAIとOracle、Metaなどが関わっているとみています。主要顧客が投資を縮小したり、自社製チップへの切り替えや競合他社製品を採用したりした場合、このような特定の顧客への高い依存はNVIDIAの業績に甚大な影響を及ぼす可能性があるビジネス上のリスクになると考えられます。
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in メモ, Posted by log1i_yk
You can read the machine translated English article About 40% of NVIDIA's second-quarter….