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ドライブスルーに音声AIによる注文システムを導入した大手ファストフードチェーンがAIの活用法を再考している


ファストフードチェーンのタコベルは、2024年から500以上の店舗のドライブスルーで音声AIによる注文システムを導入しています。ただし、すべての顧客がドライブスルーでAIとやり取りすることを好んでいるわけではなく、タコベル側もAIの活用法について再考していることが同社の最高デジタル・テクノロジー責任者であるデイン・マシューズ氏の証言により明らかになりました。

Taco Bell Rethinks Future of Voice AI at the Drive-Through - WSJ
https://www.wsj.com/articles/taco-bell-rethinks-future-of-voice-ai-at-the-drive-through-72990b5a

Taco Bell is having second thoughts about relying on AI at the drive-through  | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/08/30/taco-bell-is-having-second-thoughts-about-relying-on-ai-at-the-drive-through/

タコベルでは記事作成時点で500以上のドライブスルーで音声AIによる注文システムが導入されているそうです。しかし、ソーシャルメディア上ではタコベルの音声AI注文システムの不具合や反応の遅さに不満を訴える投稿が多数投稿されています。


中には「水を1万8000杯ください」といった無理な注文を行うことで、音声AI注文システムを荒らそうとする人もいるそうです。

How to Bypass AI #shorts #funny #ai credit: officialbradhuber - YouTube


タコベルの最高デジタル・テクノロジー責任者であるマシューズ氏は、タコベルでドライブスルーに導入した音声AI注文システムについて「正直に言って、私たちは音声AIについて多くのことを学んでいます。皆さんと同じように、がっかりすることもありますが、本当に驚くこともあります」と語っています。


マシューズ氏によると、タコベルは将来的にどこで音声AIを使用し、どこで使用しないかについて慎重に検討を進めている段階だそうです。すべてのドライブスルーでAIだけを使うのは必ずしも合理的ではないかもしれないとマシューズ氏は語っています。さらに具体的に、「行列の長い非常に混雑した店舗」では人間のスタッフによる応答の方がより適切に対応できるかもしれないと指摘しました。

ウォール・ストリート・ジャーナルは「生成AIブームが始まって約3年が経過した時点でも、企業がまだ試行錯誤していることを示す最新の兆候です。多くの企業がAIの可能性に信頼を寄せていますが、実際にこの技術が機能している分野とそうでない分野を理解するにつれ、AI戦略を転換し、全面的な見直しが行われつつあります」と報じています。

ドライブスルーにおける音声AIの活用は、特に実現が難しい事例です。マクドナルドはドライブスルーにAIチャットボットを導入するべくIBMと提携していましたが、2024年6月にこのAIチャットボットは撤去されました。その後、2025年初頭にマクドナルドの最高情報責任者であるブライアン・ライス氏は、ウォール・ストリート・ジャーナルに対してGoogle Cloudと共同で新しいAIドライブスルー注文システムの開発を進めていることを

マクドナルドがドライブスルーの注文を受けるためIBMと提携して導入したAIチャットボットを撤去 - GIGAZINE


ウェンディーズもGoogleの技術を基盤とするドライブスルーアシスタント「Wendy’s FreshAI」の拡大することを発表しています。

ウェンディーズがGoogleのジェネレーティブAIでドライブスルーを自動化する「Wendy’s FreshAI」を発表 - GIGAZINE


また、タコベルの親会社であるヤム・ブランズも長年ドライブスルーの注文システムにAIを活用するべく取り組んでおり、この取り組みを進めるべくNVIDIAとの提携を発表しています。

タコベルは音声AIの開発を依然として進めており、これは製品ロードマップの重要な部分であり続けています。しかし、タコベルがこの技術に具体的に何を期待しているのか、そして人間のスタッフが参入できるような基盤をどこに構築するのかについては、まだ疑問が残るとウォール・ストリート・ジャーナルは指摘しました。

マシューズ氏は店舗と協力して解決策を見つけ出す支援を行うと語っており、「私たちのチームには、次のような指導をしていきます。店舗には、『このような状況では音声AIを活用すること』あるいは『音声AIを実際に監視し、必要に応じて介入すること』を推奨します」と具体例を挙げました。

タコベルはAIがこれまでに取得してきた200万件以上の顧客注文データを分析している段階であるため、具体的な計画はまだ策定中です。マシューズ氏は「タコベル社内では、フランチャイズ店と連携して非常に活発な議論が行われています。結局のところ、まだ本当に、本当に初期段階だと思います。私たちもそう感じていますし、他のブランドも同様に感じていると思います」と語っています。

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in ソフトウェア,   動画, Posted by logu_ii

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