サイエンス

街路樹が公園の樹木よりも乾期によく耐える理由は「水道管の漏れ」


ヨーロッパでは記録的な猛暑と干ばつにより、市民生活と経済活動に深刻な影響が出ています。そんな干ばつが街中や公園に生える木々にどのような影響を及ぼすのかについて、科学系雑誌のNew Scientistが最新の調査結果を報告しました。

Trees on city streets cope with drought by drinking from leaky pipes | New Scientist
https://www.newscientist.com/article/2487804-trees-on-city-streets-cope-with-drought-by-drinking-from-leaky-pipes/


長期間雨が降らないと、公園に生えている木々の水量と樹液の流れは、街路樹に比べて大きく減少する傾向にあることが明らかになっています。しかし、その理由は不明でした。

この理由を調査するべく、カナダのモントリオールにあるケベック大学モントリオール校のアンドレ・ポワリエ氏とその同僚は、モントリオールに2つの地区にある公園および街路に植えられたシルバーメープルおよびノルウェーカエデの幹のサンプルを採取しました。

研究チームは採取した幹のサンプルの鉛同位体の濃度を測定し、幹の年輪を数えることで同位体濃度と樹木の近年の生育履歴を関連付けました。なお、鉛同位体とは原子レベルで異なる鉛の同位体であり、それぞれの起源を示す可能性があるものです。


調査の結果、公園に生えている木々は、通常は大気汚染と関連付けられる鉛同位体が含まれていることが明らかになっています。一方で、街路樹には「近くの鉱山の鉱床から採取された金属(地質学的に古い鉛)で作られた鉛製の水道管」で見つかった鉛同位体が含まれていました。

カエデは1日に約50リットルの水を吸収しますが、街路樹は雨水をほとんど吸収することができません。しかし、雨水はコンクリートに落ちて下水道に流れ込むようになっており、モントリオールでは1日に5億リットルもの水が水道管から漏れ出しているそうです。そのため、街路樹が公園の木々よりも水量を減らしていない理由について、ポワリエ氏は「街路樹が水道管からの漏水を吸収しているためである可能性が高い」と言及しています。

ポワリエ氏は2025年7月8日にチェコのプラハで開催されたゴールドシュミット国際会議に出席し、今回の研究成果を報告しています。ポワリエ氏は「良いニュースとしては、街路樹を植え続けることができるということです。木があると人々は幸せになりますし、公園に植えるよりも木はよく生き残ります」と語りました。


なお、インディアナ大学のガブリエル・フィリペリ氏は「街路樹の水使用量は驚異的で、公園の木々の方がはるかに健康的だろうという一般的な考えに反しています」と語りました。

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in サイエンス, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article The reason why street trees can withstan….