NVIDIAが中国向けにH20超えの新AIチップ「B30A」を開発中か

NVIDIAが、Blackwellアーキテクチャの新AIチップ、仮名「B30A」を開発中であることを、ロイターが匿名の関係者2人からの情報として伝えています。
Exclusive: Nvidia working on new AI chip for China that outperforms the H20, sources say | Reuters
https://www.reuters.com/world/china/nvidia-working-new-ai-chip-china-that-outperforms-h20-sources-say-2025-08-19/
NVIDIA is reportedly developing an AI chip for China more powerful than the H20
https://www.engadget.com/ai/nvidia-is-reportedly-developing-an-ai-chip-for-china-more-powerful-than-the-h20-130057520.html
Nvidia developing more powerful AI chip for China, report says
https://www.cnbc.com/2025/08/19/nvidia-ai-china-chip.html
「B30A」は次世代AIファクトリー向け統合プラットフォームとして展開されている「B300」と同じBlackwellアーキテクチャで、デュアルダイ構成ではなくシングルダイ構成なので計算能力はB300の半分ほどになるとみられています。
仕様は完全には決定していないものの、早ければ2025年9月にも中国の顧客にテスト用サンプルを提供したいと考えていると、関係者はロイターに語ったとのこと。
アメリカは中国に対して高性能半導体の輸出制限を行っているため、NVIDIAは中国向けに性能を制限した製品を輸出しています。AIチップ「H100」の中国向け版である「H20」は、輸出を開始した2024年だけで100万個を出荷する人気製品となっています。
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しかし、2025年に入って中国企業・DeepSeek(深度求索)がリリースした大規模言語モデル「DeepSeek R1」によって、「(アメリカによって輸出制限を受けているため)それほど高性能ではないAIチップしか手に入らない状態でも、アメリカ企業の最先端モデルに匹敵するAIを開発することは可能」と示されたことで、H20の需要が爆増。トランプ政権がH20の輸出制限を検討するにまで至りました。
一度は、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOとトランプ大統領の会談などによって輸出規制は回避されたかに見えましたが、結局、アメリカ政府はH20の輸出にライセンスが必要であると通知。同様の措置を受けたAMDとともに、NVIDIAは政府に中国への半導体輸出の売上の15%を支払うことで合意したと報じられています。
NVIDIAとAMDが中国への半導体輸出売上の15%をアメリカ政府に支払うことで合意 - GIGAZINE

なお、NVIDIAは今回明らかになった「B30A」のほかに、「RTX6000D」と呼ばれるチップの提供も準備していて、こちらはH20より安価になる見込みだとのことです。
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in ハードウェア, Posted by logc_nt
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