将来的にBMIが高くなるかどうかを子どもの時点で予測できる遺伝子検査手法が開発される

肥満は世界的な公衆衛生上の課題となっており、世界肥満連合(WOF)は2035年までに世界人口の半数が肥満または過体重に分類される可能性があると警告しています。そんな中、500万人以上の遺伝子データを活用して開発された遺伝子検査により、「将来的にBMIが高くなる遺伝的リスク」を子どもの時点で判断できると報告されました。
Polygenic prediction of body mass index and obesity through the life course and across ancestries | Nature Medicine
https://www.nature.com/articles/s41591-025-03827-z

Genetic test predicts obesity in childhood – University of Copenhagen
https://cbmr.ku.dk/news/2025/genetic-test-predicts-obesity-in-childhood/
New Genetic Test Predicts Children With Future Risk of High BMI : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/new-genetic-test-predicts-children-with-future-risk-of-high-bmi
今回研究チームが開発した遺伝子検査は、多数の遺伝子を考慮して特定の疾患や体質のリスクを算出する「ポリジェニックスコア(polygenic score:PGS)」という手法のものです。すでに肥満リスクを高める遺伝子変異は数千種類も特定されており、その中には「脳内で作用して食欲に影響を及ぼす遺伝子変異」なども含まれています。
世界中の約500もの機関に所属する600人以上の研究者からなる研究チームは、510万人分以上の遺伝子情報データベースを用いて、将来的なBMIが高くなるかどうかを予測できるポリジェニックスコアを開発しました。

その後研究チームは、合計50万人以上の身体的および遺伝的特性に関するデータセットを用いて、作成したポリジェニックスコアが将来的な肥満リスクの予測にどれほど役立つのかをテストしました。このデータセットには、遺伝子データとBMIの経時的な変化が含まれていたとのこと。
・関連記事
「BMIで健康を語るのはナンセンス」と専門家が指摘する理由とは? - GIGAZINE
身長と体重だけで求めるBMIは肥満を表わす数値には向いていない、ではどうやって肥満を示すべきなのか? - GIGAZINE
BMIが30を超える「太りすぎ」な人よりも19未満の「痩せすぎ」な人の方が全死因の死亡リスクが高い - GIGAZINE
縄文人のDNAを受け継いだ日本人はBMIが高いとの研究結果、狩猟採集民のDNAが現代では健康リスクになっている可能性 - GIGAZINE
痩せすぎな人は自殺リスクが高いという研究結果 - GIGAZINE
3000人に1人は「太りにくい遺伝子」を持っている可能性があると判明 - GIGAZINE
「肥満は神経発達症である」と科学者が提唱 - GIGAZINE
肥満になると脂肪が燃焼されにくくなり余計に肥満が悪化する負のサイクルに陥ってしまう可能性 - GIGAZINE
脂肪細胞が持つ「肥満だった頃の記憶」がリバウンドの原因になっている可能性 - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in サイエンス, 無料メンバー, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article A genetic test method will be developed ….