広範なソーシャルネットワークを持つ人ほど認知症になりにくいとの研究結果

認知症は日常生活に支障を来すほどの認知機能低下を示す疾患であり、記憶だけでなく言語能力や問題解決能力、推論能力にも障害が現れるほか、性格や行動に変化が生じることもあります。合計2万人以上の被験者を対象とした17件の研究を分析した体系的レビューにより、「広範なソーシャルネットワークを持つ人ほど認知症になりにくい」ということが明らかになりました。
Association between social networking and dementia: A systematic review of observational studies - Neuroscience
https://www.ibroneuroscience.org/article/S0306-4522(25)00296-9/abstract

Larger social networks associated with reduced dementia risk
https://www.psypost.org/larger-social-networks-associated-with-reduced-dementia-risk/
これまでの研究では、「有意義な社会的つながりを認識して維持すること」と定義されるソーシャルネットワーキングが、認知機能の低下を予防する可能性があると示唆されています。これらのネットワークの構成要素には、婚姻状況や接触する人の数、交流の頻度、関係への満足度、本人が認識している他者からのサポートなどが含まれます。
Global Brain Health Institute(GBHI)の神経科学者であるファヒーム・アルシャド氏らの研究チームは、ソーシャルネットワーキングと認知症の関係について調べるため、2000年~2024年に発表された17件の研究結果を分析しました。

分析対象となった被験者の平均年齢は40~90歳で、アメリカで行われた研究が6件、ドイツが3件、イギリスが2件で、残りは中国・フランス・スウェーデン・アイルランド・アイスランド・インドで行われた研究でした。うち13件の研究は1~15年間の追跡期間を含んでおり、被験者の総数は合計2万678人に上ったとのこと。
・関連記事
定期的に人と会ったりイベントに参加したりする高齢者は認知症になるのが遅いという研究結果 - GIGAZINE
新しいテクノロジーを使う高齢者は認知症や認知機能低下のリスクが低いという研究結果 - GIGAZINE
知能は老化ではなく「頭を使わないこと」で衰えるとの研究結果、よく頭を使う人は年を取っても能力が成長し続けることが判明 - GIGAZINE
認知症のリスクを90%も減らす「6つの健康的な生活習慣」とは? - GIGAZINE
「退職して年金生活に入ると認知機能が急激に低下する」という研究報告 - GIGAZINE
運動は認知機能低下を遅らせるだけでなく脳機能改善にもつながる - GIGAZINE
・関連コンテンツ
in サイエンス, 無料メンバー, Posted by log1h_ik
You can read the machine translated English article Research shows that people with extensiv….