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性行為後に飲んで望まない妊娠を防ぐ「アフターピル」はどのように作用するのか?副作用やBMIとの関係は?


アフターピル(モーニングアフターピル、緊急避妊薬)は無防備な性行為の後に服用することで、望まない妊娠を防ぐことができる薬です。そんなアフターピルが一体どのように体に作用するのか、危険な副作用はあるのかどうか、ボディマス指数(BMI)が効き目にどのような影響を及ぼすのかについて、科学系メディアのLive Scienceが解説しています。

How does the morning-after pill work? | Live Science
https://www.livescience.com/health/fertility-pregnancy-birth/how-does-the-morning-after-pill-work


◆アフターピルはどのように作用するのか?
そもそも女性が性行為の後に妊娠するためには、排卵によって放出された卵子卵管内で精子と出会い、精子が卵子の中に入り込む受精というプロセスが必要です。アフターピルはこの排卵を抑制または遅らせることによって機能し、受精するのを防ぐ薬です。

アメリカでは2種類のアフターピルが市販されています。1つは月経周期を調整するホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)を人工的に再現したプロゲスチンを含有するタイプで、もう1つは黄体ホルモン受容体を阻害する抗プロゲスチンを含有するタイプです。どちらの種類も、卵子を通常よりも長い間卵巣内にとどめておくことで、不用意な妊娠を防ぐことができます。

ニューヨーク大学ランゴーン医療センターの産婦人科医であるコリーン・デニー氏は、「性交後に膣内と子宮内に精子が存在するにもかかわらず、卵子は卵巣内に安全に存在しているため、精子が実際に卵子と出会うことはありません」とアフターピルの効果について語っています。

アフターピルの服用時に注意するべき点としては、あくまで排卵を遅らせる薬であることから、卵子がすでに排卵した後に服用しても意味がないという点です。そのため、医師らは避妊せずに性行為をしてしまった場合、なるべく速やかにアフターピルを服用することを勧めています。

オレゴン健康科学大学の産婦人科教授であるアリソン・エデルマン氏は、「モーニングアフターピルは緊急避妊薬のキャッチーな名前のひとつですが、実際には誤解を招きます。アフターピルは無防備な性行為の直後に服用すると最も効果を発揮するからです」と語っています。


◆アフターピルは安全なのか?

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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