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Anthropicが利用規約違反を理由にOpenAIのClaudeへのAPIアクセスを取り消し


AI開発企業のAnthropicが、競合するOpenAIによる自社AIモデル「Claude」へのAPIアクセスを遮断しました。この措置は、OpenAIが「競合製品やサービスの構築、競合AIモデルのトレーニングに利用することを明確に禁止する」というAnthropicの規約に違反したためだとのことです。


Anthropic says OpenAI engineers using Claude Code ahead of GPT-5 launch
https://www.bleepingcomputer.com/news/artificial-intelligence/anthropic-says-openai-engineers-using-claude-code-ahead-of-gpt-5-launch/

この問題は、OpenAIが次期大型モデル「GPT-5」のリリースを数週間後に控える中で発生しました。IT系ニュースサイトのThe Wiredによれば、OpenAIのエンジニアたちは、GPT-5の性能、特に優位に立つことを目指しているプログラミング能力をテスト・改善するために、業界で最高峰のコーディングアシスタントと評価されるAnthropicの「Claude Code」を使用していたとのこと。ただし、OpenAIのエンジニアは通常のチャット画面からではなく、APIを通じてClaudeを自社の内部開発ツールに直接統合し、コーディングやクリエイティブライティング、さらには安全性に関する応答を体系的に比較・評価していたそうです。

Anthropicは、この行為が単なるベンチマーキングの範囲を超え、規約で禁じられた競合製品の開発にあたると判断しました。Anthropicの広報担当者クリストファー・ナルティ氏は、「OpenAIの技術スタッフがGPT-5の発売前に我々のコーディングツールを使用していることを知っても驚きはありませんでした」と述べ、これが利用規約の直接的な違反であると指摘しました。

Anthropicのスタッフであるサム・マックアリスター氏も、OpenAIの規約違反を認めるポストをXに投稿しています。


一方、OpenAIの広報責任者ハンナ・ウォン氏は、「競合のAIシステムを評価することは、進歩のベンチマークとなり安全性を向上させるための業界標準です」と反論し、自社のAPIはAnthropicにも利用可能な状態にあることを指摘した上で、「今回のAnthropicの決定は残念です」と表明しました。


Anthropicがこのような措置を取るのはこれが初めてではありません。同社は2025年6月にも、OpenAIによる買収が噂されたコーディングツール「Windsurf」のClaudeへのアクセスを遮断した過去があります。この一連の動きは、AI業界における競争が激化し、企業がAPIアクセスを競合他社の動きを牽制するための戦略的な武器として利用する新たな段階に入ったことを示しています。

今回の出来事は、特にコーディング能力の向上に注力していると噂されるGPT-5の最終調整に影響を与える可能性があります。OpenAIは今後、サードパーティのプロバイダー経由でClaudeにアクセスするなどの代替手段を模索する必要に迫られるかもしれませんが、コストが跳ね上がることが予想されます。

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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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