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ビジネスSNSのLinkedInがトランスジェンダーをヘイトスピーチから保護する文言をポリシーからひっそり削除


ビジネス特化・SNSのLinkedInが、憎悪的で軽蔑(けいべつ)的なコンテンツに関するポリシーを3年ぶりに更新し、トランスジェンダーの人に対する「誤ったジェンダー表記」や「デッドネームの使用」を禁止するという文言が削除されました。

LinkedIn removes hate speech protections for transgender individuals
https://opentermsarchive.org/en/memos/linkedin-removes-transgender-hate-speech-protections/

LinkedIn quietly removed references to deadnaming and misgendering from its hateful content policy
https://www.engadget.com/social-media/linkedin-quietly-removed-references-to-deadnaming-and-misgendering-from-its-hateful-content-policy-190031953.html

オープンソースソフトウェアのOpen Terms Archiveが、LinkedInの憎悪的で軽蔑的なコンテンツに関するポリシーから、トランスジェンダーを保護するための条項が削除されたことを発見しました。トランスジェンダーの人を誤ったジェンダー表記で呼ぶことや、デッドネームで呼ぶことを禁止する文言が削除されており、削除が実施されたのは現地時間の2025年7月28日だそうです。

インターネットアーカイブで更新前の憎悪的で軽蔑的なコンテンツに関するポリシーをチェックすると、憎悪的で軽蔑的なコンテンツの事例に「Misgendering or deadnaming of transgender individuals(トランスジェンダー個人の性別誤認またはデッドネームを使用すること)」が記されています。


しかし、記事作成時点で最新版のポリシーでは、「Misgendering or deadnaming of transgender individuals(トランスジェンダー個人の性別誤認またはデッドネームを使用すること)」という事例が削除されているのが確認できます。

憎悪的で軽蔑的なコンテンツ | LinkedInヘルプ
https://www.linkedin.com/help/linkedin/answer/a1339812


この事態を報じたテクノロジーメディアのEngadgetが、LinkedInにポリシー更新について問い合わせを行ったところ、LinkedInの広報担当者は「基本的に憎悪的で軽蔑的なコンテンツに関するポリシーは変更されていない」と言及。LinkedInはポリシーでは依然として「性自認」が保護対象として言及されているとして、「性別誤認を含む、アイデンティティに基づく個人攻撃や脅迫は、当社のハラスメントポリシーに違反しており、当社のプラットフォームでは許可されていません」と語ったそうです。ただし、LinkedInは今回のポリシー更新の詳細については説明しなかった模様。

これに対して、メディアにおける差別報道の防止を目的とする非政府組織のGLAADは、脆弱なユーザーを保護するためのポリシーを緩和するテクノロジープラットフォームの広範な傾向の一環であると指摘。GLAADの広報担当者は、「LinkedInが長年にわたってベストプラクティスとして実践してきたトランスジェンダーおよびノンバイナリーの人々に対するヘイトスピーチ保護策を撤回するという静かな決定は、あからさまな反LGBTQの動きであり、誰もが警戒すべきものです」「2025年初めのMetaとYouTubeに続き、またしてもソーシャルメディア企業がユーザーの安全を犠牲にして、反LGBTQの政治思想家たちをなだめようとする卑怯なビジネス慣行を選択しています」という声明を出しました。


なお、Metaは2025年初頭にコンテンツモデレーション方式を変更し、ヘイトスピーチポリシーからLGBTQユーザーを保護するための条項を削除しました。さらにその後、Metaはコミュニティポリシーに差別や非人間化に関する用語を追加していますが、監督委員会は同社にこれらの用語を削除するよう勧告しています。ただし、記事作成時点でMetaは監督委員会からの削除勧告に従っていません。

YouTubeも2025年にひっそりとルールを更新し、ヘイトスピーチに関するポリシーから「性自認」に関する言及を削除しました。しかし、YouTubeはルール変更を否定しており、User Magに対して「ウェブサイトの定期的なコピー編集の一環」だと主張しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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