「アメリカ産TSMC半導体は5~20%高価」とAMDのリサ・スーCEOが明かす

AMDのリサ・スーCEOが、台湾を拠点とする半導体製造企業TSMCのアリゾナ工場が「台湾と比べて割高になる」と指摘しました。ただ、サプライチェーンを多様化することのメリットもあるといいます。
AMD CEO Says Chips From TSMC’s US Plant Cost 5% to 20% More - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-07-23/amd-ceo-su-sees-chips-from-us-tsmc-plant-costing-5-to-20-more

AMD CEO says U.S.-made TSMC chips are more expensive, but worth it — costs 'more than 5% but less than 20%' higher than Taiwan-sourced alternative | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/amd-ceo-says-u-s-made-tsmc-chips-are-more-expensive-but-worth-it-costs-more-than-5-percent-but-less-than-20-percent-higher-than-taiwan-sourced-alternative
TSMCに製造を委託しているAMDは、台湾の工場に加えてアメリカのアリゾナ州にある工場でも半導体を製造させています。この点についてAI関連にベントに登壇したスーCEOは「アリゾナ工場は台湾と比べてコストが5%以上20%未満高い」と指摘し、アリゾナ工場が割高であることを明らかにしました。
続けてスーCEOは「製造拠点を複数箇所に分けることで供給のボトルネックが減るというメリットもある」と指摘。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期に見られたような工場閉鎖とサプライチェーンの混乱に陥りにくくなるため、その分の費用をかける価値はあると話しました。

アリゾナ工場のコストが高いのは、TSMCが高く設定しているためです。TSMCいわく、台湾国外ではインフレや電気料金等の高騰に伴いチップの製造コストが増大していて、目標の粗利益率を達成するためには台湾国外の製造拠点で追加料金を請求せざるを得ないとのこと。価格の上乗せにより、製造コストと利益のギャップを埋められるというわけです。
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AMDは2025年末までに、TSMCアリゾナ工場で製造された最初のチップを出荷する予定です。TSMCは半導体需要の増加に対応するべく生産設備の拡大を続けており、アリゾナ州に3つ目の工場を建設することも決定しています。
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スーCEOは「パンデミックを通じて学んだことですが、サプライチェーンは単にコストの低さだけで考えるのではなく、信頼性などあらゆる要素を考慮する必要があります。少しコストは高くなりますが、半導体投資を促進するための取り組みは役立ちました。アメリカへの投資は私たちにとって非常に良い投資だと考えます」と述べました。
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in ハードウェア, Posted by log1p_kr
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